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留学生も知っておきたい、カナダ賃貸保険の基本

カナダで保険といえば医療保険に関する記事が多く、留学生の皆さんも留学期間に関わらず加入されていることと思います。一方、住宅保険については考えたこともないという方が多いのではないでしょうか。従来の留学では短期観光留学、ワーキングホリデーなど、一年未満のことが多いこと、またホームステイや学生寮などの滞在方法が主流でしたので、賃貸保険がそれほど重要ではなかったのかもしれません。留学の形が時代とともに変化したことで、カナダの大学やカレッジ進学、永住権取得を目指される方では3年以上滞在される方も珍しくなく、シェアハウスなど賃貸物件で滞在されることが主流化しています。カナダ側でも不動産物件の価格の高騰をはじめ、世の中の様子が変わってきています。そこで今回、留学生の方でも知っておきたい賃貸保険について、お知らせできればと思います。

なぜ、賃貸保険?

実は近年、私の住むBC州では家主から保険の加入を求められるケースが急増しています。アパートの一室を借りている方、一軒家のベースメントやシェアハウスとして一室を借り、キッチンやバスルームをシェアしている方も対象に含まれます。その背景として、賃貸者の物損、損害が原因で多額の請求が求められるケースが問題化されていることが挙げられます。例えば皆さんが滞在されているお家で不注意により火災を起こしてしまい、発覚までに時間がかかったことで近隣のお宅まで被害が及んだとしましょう。住宅の被害自体は住宅保有者の持つ保険が適用されますが、他者への物損や医療費用など、被害を起こした原因である皆さんの罪が問われる可能性もあります。

私の知人で当時賃貸で滞在していたアパートにて、誤まって水害を起こしてしまった、という事例を聞いたことがあります。工事の関係で当時断水が行われていたところ、知人は水道栓を試しに開けたまま、閉める作業を怠り、また運悪く外出してしまったことで発見が遅れたとのことです。床の水害は下の階にまで被害が及び、裁判の上知人に責任が問われたとのことでした。

水害、火災は住宅保険の請求で最も頻繁に耳にするケースですが、他に留学生の方に知っていただきたいこととして、飲み会に関する事故が挙げられます。カナダではお酒の提供に従事する職業に就く上で資格が求められるなど、お酒に関する法律が厳しいと感じている方も多いかと思います。例えば皆さんがお家で飲み会を開催し、お友達をご招待して一緒にお酒を飲んだとしましょう。中には飲みすぎてしまったにも関わらず、大丈夫だから、と帰りは運転をされるかもしれません。万が一その方が飲酒事故にて多大なる障害を負われる、又は死亡された場合、飲み会を開催された皆さんに多大なる賠償責任が問われる傾向にあります。過去の裁判事例をもとに保険業界でも注意喚起を始め、イベント保険として保険の販売を行う会社も多いです。

賃貸保険の一般的な内容

日本の保険でも留学保険として、医療保険だけでなく損害保険や物損保険などが含まれたプランもお見受けします。それぞれ保険規約により内容が異なりますので、一概に日本の保険で十分、不十分とは判断できず、規約をしっかり読まれ、保険会社にご確認いただくこととなります。一方、大家さんに賃貸保険の提示を求められた場合や、永住を予定され長期滞在をされている方にとっては、カナダの賃貸保険に加入されるメリットがあるかもしれません。カナダの賃貸保険の概要は以下となりますが、各州の法律や保険会社により一部異なりますこと、あらかじめご理解いただければと思います。

Personal property

まず、Personal property、Contentsと呼ばれる、皆さんの持ち物が保険内容の中心となります。留学生の方の多くは節約を重視され、あまり高価な持ち物はないという方も多いと察しますが、それでもノートパソコンやタブレット、衣類、コートや靴を日本から持参されたり、中にはテーブルやソファなどを中古、新品問わず購入された、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ある日火災が起こりお家が全焼してしまったと仮定しますと、持ち物の全てを買い揃えるにあたり、いくらぐらいの費用を要するのか、考えてみられると大きな金額になるかと思います。また、持ち物の多くは中古やリサイクルショップ、貰いもので構成されている方でも、お家が全焼した後には古着屋さんを回る余裕がなく、新品のものを手当たり次第に購入されることが現実的かと思います。Personal propertyの保障はそういった身の回りのものを補償する内容となります。

Additional living expense

続きまして、Additional living expenseは私にとって心強い補償内容の一つです。火災や水害など、一定の損害内容が原因でお家の滞在ができなくなってしまった場合、ホテル滞在費用や食費、洗濯代など、通常以上に必要となった費用を補填してくれる内容となります。BC州では実際に昨年、一部地域にて洪水、火災が発生し、該当地域では避難命令が出されています。そういった場合の滞在費用を負担してくれる保険はとても頼もしいものです。

Liability

最後にLiabilityと呼ばれる、過失による他者への損害賠償に関する補償です。冒頭でご紹介したような不注意により起こってしまった火災や水害、借りたものを壊してしまった、またお友達などお家に訪問された方が怪我をしてしまった際の賠償などが該当します。BC州では訴訟にあたり、こちらの保険を通して弁護士費用や裁判に関する費用も支払われますので、そういった点で日本の保険と比べメリットがあるのかもしれません。

ご自身にあった保険選び

日本から初めて留学に来られる際は日本の保険が加入しやすいかもしれませんが、滞在期間が長期化すればするほど保険の延長手続きの手間や、何かあった場合に時差や言語の違いを踏まえ、日本の保険で対応ができるのか、不安に感じる方もいらっしゃることと思います。では、カナダで賃貸保険に加入される場合、どういった手続きが求められるのでしょうか。

まず、application formと呼ばれる、応募用紙、アンケートのような様式での記入、提出が必ず必要となります。賃貸保険では皆さんのお住まいの地域や周囲の環境、職業、お家の築年数など、多くの要素が関係します。ルームメイトの可否やペットの有無、近隣地域にレストランがある場合、レストランの起こした火事が皆さんのお家に被害を起こす可能性を考え、追加情報が求められることもあるでしょう。保険会社では提出された情報をもとに、皆さんの状況、ご要望にあった内容にてお見積りをお出しし、条件が合えば成約、中には他社と比較をされるお客様もいらっしゃいます。

ご注意いただきたい点はカナダの保険会社といえど、各会社ごとに保険規約が異なる点です。例えば一部の水害が補償に含まれている保険、水害は補償外とされている場合、また水害にあたり条件が細かく提示され、条件を満たした場合のみ補償されるなど、会社毎に異なります。一概に保険料金で比較され選択されることのないよう、担当者と内容をしっかりご確認の上選んでいただければと思います。

カナダ留学にあたり医療費が高いことや保険加入の重要性は周知されてきましたが、シェアハウスでの過失による損害、訴訟された場合についてあまり考えたことのない方が多いことと思います。大家さんに住宅保険の加入を求められた方はもちろん、ホームステイや学生寮にお住まいの方も一度、ご自身の契約内容を確認されるきっかけになれば幸いです。カナダでは毎年大規模火災についてニュース報道を拝見しますし、水もれや冬季の水道管の凍結、ベースメントが水びたしになってしまった、など水に関する被害を頻繁に耳にします。まさか自分には起こらないと無関心にならずに、管理者の方と一度お話されるといいですね。

ライター Aki
ワーホリ、学生ビザ等でのカナダ留学歴約3年半、カナダ移民歴6年のビクトリア在住女性。
飲食店や介護施設、サービス業など幅広い業種を経験した後、ブリティッシュ・コロンビア州の保険資格を取得し、現在保険会社にて顧客対応、管理業務に従事している。
趣味はパブリックスピーキング、ズンバ、ヨガなど。

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