【2025年版】カナダのインカム・タックスリターンとは?

カナダでは毎年2月頃になると「タックスリターン」の話題が出てきます。就労されている方であれば、勤務先から【T4】とよばれる書類を受け取り、それをもとにインカム・タックスリターンを行います。前年度分の手続きは4月中に済ませるようにと言われていますが、そうは言っても、カナダの税金についてよく知らないという方はとても多いはずです。こちらでは、インカム・タックスリターンについてよくある質問をまとめまていますので、参考になれば幸いです。
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そもそもインカム・タックスリターンとは?
「タックスリターン」というと、「税金の返還」がされるのではと思われますが、手続きとしては所得(Income tax)を申告して適切な税金額を納めることを指します。簡単に言うと、日本の【確定申告】にあたります。日本では雇用されている場合、雇用主や事業主が申告を行うことがほとんどですが、カナダでは居住者全員が個人で申告する必要があり、毎年2-4月頃に行います。実は毎回のお給料から所得税が引かれているのですが、この金額はその時点では正確な金額ではなく、確定申告をすることで正確な納税額が分かります。1年を通して税金を多く支払っていた場合は申告によって返金があり、支払いが不足していた場合は追加して納税する必要があります。
いつまでに申告する必要がありますか?
申告期限は申告年の翌年の4月30日です。4月30日を過ぎてももちろん申告することは可能ですが、追加で納税が必要な場合、申告と納税を4月30日までに行わないとペナルティーが課されてしまいます。留学生の場合、還付金を受け取る方がほとんどで、還付を受けることになる場合は4月30日を過ぎた後に申告手続きをしたとしても、特にペナルティーは発生しません。今までにも多くの方が帰国前に2年分以上分の申告をし、問題なく還付金を受け取られているケースが多いです。
タックスリターンはしなければならないのですか?
カナダに“居住”している方は申告する必要があります。つまり、留学生であっても申告しなければなりません。申告せずに帰国してしまったとしても、罰則が追いかけてくるということはないようですが、前述の通り、留学生の場合は申告によってお金が戻って来ることがほとんどですので、申告した方が良いという場合も多いです。頑張って働いて、その度に大きな額の税金を払っていた方もいらっしゃると思います。正しい金額を納め、過払いしていた分はきちんと返金を受けましょう。
タックスリターンで損することはないのですか?
「リターン」という言葉から、必ずお金が戻って来るものだと誤解してしまう方が多いのですが、あくまでも「確定申告」です。お給料から天引きされていた税金額が本来納めるべき額より少なかった場合は、足らず分の税金額を納める必要がありますので、もちろん支払い義務が生じます。ただ、非常に収入が多かった、申告年の途中で婚姻状況(マリタルステータス)が変わって世帯年収が増えた場合などに追加での課税が発生することがありますが、留学生として滞在している場合は、追徴課税を求められる程の収入ではないことが多く、還付(返金)となるパターンがほとんどのようです。
買い物のレシートは保管した方がいいですか?
不要です。
消費税は、カナダ政府のみなし入金となるため、レシートを都度保管して申告する必要はありません。
T4はどのように入手すればいいですか?
T4(源泉徴収票)は、雇用主が申告年度の翌年2月末までに発給することになっています。受け取り漏れをしていた、などがないよう、ご自身でも雇用主に依頼してください。
学費もタックスリターンの対象になりますか?
まず、学費がタックスリターンの対象となるというと、「学費が返ってくる」と誤解されてしまいますが、支払った学費が返ってくるというわけではありません。学費の申告をすることで、税金の控除が適用されることになります。つまり、納めるべき税金額から一定の金額が差し引かれる(控除される)ことで、納税額を減らすことができます。
対象になるのは、通常、カナダの高等教育機関、または、カナダ雇用・社会開発省(Minister of Employment and Social Development Canada)に認められた教育機関に通学した方で、その教育機関から【T2202】という書類が発給される場合です。【T2202】は教育機関側が学生に発行しなければなりません。教育機関によっては学生アカウントから確認できます。受け取り漏れを防ぐため、ご自身でも教育機関に確認してみてください。
カナダに到着したばかりなのですが、今からタックスリターンの準備をしておくことはありますか?
食費などのレシートは保管しておく必要はありませんが、念のために毎月の家賃の領収書は捨てずに保管しておきましょう。(居住している州や今後の滞在予定期間などによっては申告の対象外となります。)
自分がタックスリターンの対象になるかわからないのですが・・
カナダ政府は、納税する必要がある場合や還付金の請求をしたい場合、手当や受給金を受けている場合などは申告をするよう示しています。収入の有無や滞在ステータス(ビザ)は問いません。
申告年度に、カナダに半年以上(※厳密には183日以上)滞在していた方は基本的には対象者と思って良いでしょう。
【参考】※カナダ政府ウェブサイトより
申告する必要がある方
https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/tax/individuals/topics/about-your-tax-return/you-have-file-a-return.html
非居住者について
https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/tax/international-non-residents/individuals-leaving-entering-canada-non-residents/non-residents-canada.html
みなし居住者について
https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/tax/international-non-residents/individuals-leaving-entering-canada-non-residents/deemed-residents.html
タックスリターンでいくら返ってきますか?
「大体$○○稼いだんですけど、返ってきますか?」という質問が非常によくあるのですが、返金される額は収入によって一律で決まるのではなく、 毎回のお給料から天引きされていた税金の額や控除の額などによって決まります。そのため、還付金の金額も人それぞれ異なります。
タックスリターンには何を用意しておけばいいんですか?
- SIN‥‥番号は大切に保管しておきましょう。
- T4‥‥雇用主から毎年2月頃に発行されます。
- T2202‥‥カレッジ、大学など、高等教育機関より発行されます。
- 家賃領収書‥‥形式は問いませんが、家主からの領収書が必要。※オンタリオ州の場合は翌年の7月以降に滞在していることが条件
- 銀行口座‥‥カナダの銀行口座情報が必要。日本の銀行口座の登録はできません。
タックスリターンは複雑そうと思う方もいらっしゃるかと思いますが、手続き代行を行っている会社は多く、専用のソフトもあります。
帰国前は予定を詰めてしまったり準備で忙しくなりますので、できる時に余裕を持って申告することをおすすめします。
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