モントリオールで英仏の2か国留学。まさかのカナダで初手術・入院を経験

“行けるときに行こう！何歳になっても海外に挑戦出来る。”

大隅 佳菜さん

出身地：福岡県

留学している都市：モントリオール

ステータス：ワーキングホリデー

 

旦那さんの1年半の転勤を機に、大隅さんご自身は夢だったカナダ・ケベック州への留学を決意。モントリオールでは、英語とフランス語を日常的に使いながら、ユニクロで販売員として奮闘中。人生初の手術と入院という予想外の出来事にも見舞われましたが、周りの方々に支えられながら、モントリオールで充実した日々を過ごす大隈さんの留学ストーリー。

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留学前

ー留学前はどのようなことをされていたのですか？

東京の大学で外国語学部フランス語学科を卒業後、地元福岡の銀行にて三年間勤務しました。

留学の理由

ーカナダ留学のきっかけや目的、また都市や学校を選んだ理由について教えてください。

結婚を機に東京に住み転職活動をし内定も貰っていましたが、夫が大阪に一年半転勤となることが決定。それなら、と夫と相談し、大学で学び卒業論文を書いて、ずっと来る事が夢だったケベック州に一年間ワーホリすることにしました。モントリオールは英語を話す人も多いと聞き、英仏どちらも学びたいと思ったためケベックシティではなくモントリオールに決めました。

語学学校は、少人数でスピーキングが多いと伺ったBLIに即決しました。

留学中

ー学校開始後、少しして英語からフランス語のクラスに変更されましたね。なぜ学習言語を変更されたのでしょうか？また、学校で勉強していた内容を教えてください。

主な理由は、実際に住んでみて、モントリオールで働くにあたってフランス語の方が大事だと気付いたからです。また、今まで留学経験が無く自分の英語力に気付いていませんでしたが、ホストマザーにも「あなたの英語は素晴らしい」と初日に言われるほど、自分が意外と話せることに気付きました。これは学生時代から英語が大好きでインプットを続けていたおかげだと思っています。

フランス語は大学で基礎から学んだものの、三年間使っておらず忘れていましたが、午前中文法やライティングとリスニング、午後はスピーキングという授業のおかげでかなり力がつきました。

授業を受けているなかで、少人数制のため先生の特徴によってかなり授業の進め方が違うと感じ、フランス語のクラス替えの際友人が「あの先生は厳しいけどその分レベルアップ出来る良い先生」と言っていた先生のクラスに変えてもらうよう学校に頼んだこともありました。

現在また、ケベック州政府の「françisation」という無料の語学学校に土日のみ通っており、10週間ですが帰国前までフランス語をしっかり勉強する予定です。

 
ー留学中に学ぼうと思っていたことや目標などを教えてください。

第一目標は「英語ペラペラ、フランス語それなりに会話」
第二目標は「痩せる」
第一目標の語学に関しては、英仏どちらもだいぶ聞く力が伸びて、今は英語ネイティブの同僚の話を8割くらいは理解しながら会話できるようになりました。

フランス語に関しては、まだまだ知らない単語が多く勉強が必要ですが、言いたい事は話してスムーズに伝わるようになりました。

第二目標に関しては、渡航前最大体重だったのですが、2025年帰国して少ししたら結婚式を挙げる予定で、なんとなく痩せれば良いなと思って立てていました。結果1ヶ月のホームステイで食生活が整い－7キロ、その後立ち仕事のため9ヶ月で－10キロして、トータル17キロ痩せて、こちらの目標も達成しました笑

ー学校のアクティビティー、ホームステイ生活・シェアハウス生活、アルバイトなどについて体験したことや勉強になったこと、感じたことなどを教えてください。

学校のアクティビティーは、毎日取っていた午後のスピーキング授業と時間がかぶっていたため残念ながら参加できませんでした。

ホームステイでは、ホストマザーがとても気に入ってくれ、現在の家と近いこともあり今でも一緒に出掛けたり遊びに行ったりする仲です。夫や友人がモントリオールに遊びに来た際にマザーが部屋を空けて泊めてくれることもありました。（もちろん滞在費は払いますが…）

ホームステイで春を迎えましたが、その際マザーが「窓の外を見て。緑が綺麗ね。もうすぐ庭で読書を楽しむことが出来るわ。」と言っていたのが印象的で、季節をそれぞれ楽しむことって素晴らしいなと気付きました。日本にいるとつい広告やインフルエンサーにつられてたくさん物を買って見栄を張りがちでしたが、ただ季節を感じながら友人と公園やテラスで話をするだけで楽しく、充実していると思えるようになりました。自然の多いモントリオールで春夏を過ごせたことは大きいなと思います。

また、移民が多い都市のため、家族単位で過ごす人たちが多いなとも感じ、家族と日々を楽しむことは貴重だなと思いました。帰国したら家族を一番に大切にして過ごそうと考えています。

 
ー現在、ユニクロでお仕事をされていますが、就職活動はどのようなものでしたか？また、日本での職歴や経験が役に立っていると思うことはありますか？

モントリオールの日本人交流会に参加して仕事を探していることをアピールしていたら、その中で優しい方がユニクロが募集してるみたい、と教えてくださいました。その後すぐにレジュメを渡しに行き、また、インターネットのサイトでも応募しました。どちらを見て連絡をくれたのかはわかりませんが面接に呼ばれ、その3時間前からお店の近くに行き、必死で聞かれるであろう質問をフランス語で暗記しました。

日本の銀行での経験をアピールし、営業での顧客サービスで賞を取ったことなどを伝えたところ、カスタマーサービスが第一の会社のため、興味を持ってもらえました。

 
ー年始に体調を崩され、初めての入院／手術を海外で経験されたと伺いました。可能な範囲でご経験について教えてください。

ランチを食べてすぐに胃の辺りが痛くなり、吐き気もありました。日本から持ってきていた痛み止めを飲んで6時間ほど耐えていましたが落ち着く気配が無く、日本に住む母親に病院に行けと言われました。しかしこちらのイマージェンシーは何時間も待つのが当たり前と聞いており、もし食あたりだったら待ち損だなと思い勇気を出せず…結局夫に「食あたりだったらそれはそれで安心できるでしょう」と言われ決心がつき、Uberを呼んで24時間やっている病院のイマージェンシーに行きました。

結果、トータル8時間待ちましたが、その途中の尿検査や血液検査で優先度が高いと判断されたらしく、夜中3時に入院、その日の朝10時頃にMRIを受けて盲腸の診断が確定し、お昼14時頃に手術を受けました。

一番怖かったのはお金です。保険に入っていましたが、一旦手出しした後にペイバックだと思っており、イマージェンシー利用料手術費用入院3日分でいくらになるのか…と。とりあえず日本の家族にいつでも送金出来るようにして欲しいとお願いしていました。結果、手術の執刀医と麻酔科医に合計3000ドルを送金した以外は、病院が直接保険会社に請求してくれたため命拾いしました。

病院選びに関しても、年末にコロナにかかり、その際どこの病院がいつやっているかを把握したり、保険会社に請求はどのようにするのかを電話で聞いたりしていたため、情報は整っておりスムーズに行く事ができました。

医者には1ヶ月仕事を休める証明書をもらいましたが、退院して1週間後には職場に復帰し、重い物をなるべく持たないように配慮してもらいながら元気に働いています。

手術と入院を経て、日本の家族はもちろん、モントリオールの友人や同僚、家のオーナーも心配してお見舞いに来てくれたり車を出して退院を手伝ってくれたり、周りが自分を気にかけて助けてくれたことがすごくありがたかったです。

モントリオールに来て、英語やフランス語が周りの日本人に比べて出来ることで人から頼られることが多く、出会った日本人や周りの人を支えたり助けたりするなかで、嫌な思いをしたこともありました。

だけど自分の善意で築いてきた人間関係は、自分が大変な時に助けてくれるものだなと感じられる事ができ、良い経験になりました。

ー留学前の準備期間についてどのようなことをしたか教えてください。また事前にもっとこうしておけば良かったなどのお役立ち情報があれば教えてください。

準備期間だけでなく、趣味として海外YouTuberのVlogを見ることが趣味なので、何年も前からそこで常に英語を聞く事は続けていました。

自分の英語の基礎は学生時代の英語の勉強だったので、高校生の時に使っていた単語帳で単語の復習等をしていたらもっと話す表現の幅が広がったかなと思います。

事前にアルバイトを少しして、銀行時代の貯金と合わせたお金を持って来ましたが、来た当初から3ヶ月が一番円安の時期で、結局語学学校が終わって職が無い2週間の間に夫にお金を頼むことになったので、もう少し渡航前の生活費を削って貯金を多く持って来れていたらと思います。お金が無いと食べたい物も選ぶことが難しくなり栄養も偏るので、あればあるだけ良いと思います。

 
ー今の留学を今後の就職転職やキャリアにどのように結びつけていきたいと思っていますか？

フランス語を使った仕事に就けたら一番、少なくとも英語を使って仕事が出来たら良いなと思います。

前職の銀行は、安定を求めて勤務していたところがあり、もちろんそれが今の経験に繋がっている部分もありますが、なかなか語学を使う機会がありませんでした。

学生時代から英語が大好きで、フランス語もある程度出来るようになり視野が広がったなかで、やはり自分は語学の勉強に全く苦を感じなくて楽しくてしょうがない、自分の人生で語学無しで生きるのはつまらないなと感じています。

ー留学して自信につながったことや、逆に不安になっていることがあれば教えてください。

自信につながったことは、自分の環境適応能力です。

日本で社会人経験をしたことで、多少の理不尽には耐えられるメンタルが出来ていましたが、こちらに来て、一年間で帰ると決めているのもあり、楽しまなきゃ！の気持ちで過ごすことができ、多少嫌な事があっても流せるようになりました。

初の入院手術も一人で英語とフランス語で対応することが出来たし、強いメンタルがさらに育ちました。
不安なことは無いです！今年は帰国したら結婚式や引越しや日本での旅行等楽しい事が待っているし、人生の選択を間違えてもそれを正解にしていくことが大事だと思っているので…今は自己肯定感マックスです。

 
ーカウンセラーの進路アドバイスや留学サポートはいかがでしたか？

渡航前はどんなに小さなくても不安に思った事をすぐに質問することができ、非常に助かりました。

家探しや職探しも、日本と全くやり方が違いますが、オンラインセミナーに参加したことで事前にやり方を知る事が出来ていたため良かったです。

教えていただいていた保険に入っていた事で、急な入院手術も対応することが出来たため、感謝しております。

 
ー学校終了後やビザ終了後の予定についてどんなことを考えているか教えてください。

日本に帰国し就職活動。出来ればフランス語と英語を使える会社で、家族を一番大切にすることができるという基準で仕事探しをする予定です。

これからカナダへ来る留学生へ

ーこれからカナダ留学を考えている人にメッセージをお願いします。

行ける時に行こう！

留学やワーホリって、学生や独身で行く人が多いかと思います。私も学生時代、行きたくてしょうがなかったけど、色々と理由をつけて、海外旅行すらしたことありませんでした。海外に住む経験をしてみたかったけど、出来なくて心残りがずっとありました。

だけど、結婚してそのタイミングが来ました。夫や家族の優しさによって一人で自分の夢を叶えることができました。

いざ渡航してみると、語学学校には親子留学している人もたくさんいて、何歳になっても海外に挑戦出来るんだ、人にはそれぞれのタイミングがあるんだ、と強く感じました。

どうしても何か理由があって行けない人は、生きていればチャンスはあると思うし、行けるのに勿体ぶってる人は、チャンスを無駄にしても人生はあなたの責任です。