vol14 留学と就職-キャリアフォーラム

※この記事は2022年に執筆したものですが、2025年に加筆・構成を見直しました。
迷ったときに読みたい、留学コラム
留学中やその前後に、多くの人が直面する迷いや不安について、現場経験から感じたことをまとめています。MYNDS代表・海野芽瑠萌による、実体験に基づく留学コラムです。
Table of Contents
3年ぶりの現地開催:2022年のボストンキャリアフォーラム
2022年11月のボストンキャリアフォーラムに参加してきました。カナダの留学生が日本または海外での就職をするために参加しているボストンキャリアフォーラム、2020年、2021年はCOVID状況下のためオンラインでの開催でしたが、今年は3年ぶりにボストン会場で行われ、146社が参加しています。
-会場雰囲気など2019年の記録はこちら
-キャリアフォーラムトップページ(他都市含む)はこちら
恋愛プロセスに例える就活:人気企業への「行列」と錯覚
2019年ボストンキャリアフォーラム記録の中で、就活を恋愛に例え、
企業への応募を告白
企業との面接をデート
企業への内定・就職をお付き合い
と説明しましたね。
フォーラム会場を見ていると、どなたも名前を知っているような大手企業、マスコミ関係やその時期ちょうど名前が知られ出した派手な企業、CMが特徴的、キャラクターやマスコットがあるなど親しみを感じやすい企業には、ブースをはみ出すほどの学生さんがいらっしゃいました。また、会場に準備してあるパンフレット類も瞬く間になくなっていましたし、ブース前の面接希望ボックスには山のような手書き履歴書が入っていました。恋愛でも、人からうらやましがられるような人に憧れてしまうように、就活生もそんな企業に、「私も入りたい」と思ってしまいがちです。
恋愛で言うと、「好きになるまでの過程」のお話ですね。
例えば、就活の基礎知識ということで、BtoB(対ビジネス、つまり企業をターゲットとした企業)とBtoC(対カスタマー、つまりサービスや製品の消費者をターゲットとした企業)の違いについて説明されることがあります。と言うのも、多くの学生さんにとって、なんとなく良さそう、入ってみたいなと思える企業、「こんな仕事をするんだろうな」とイメージしやすい企業は、つまりは上記のように、「CMを見たことがある会社」「名前が有名な会社」など、BtoCが多くなる傾向にありますのは、これと同じような心理です。

「ひとめぼれ」の就活がもたらすギャップ
よく、「企業研究、業界研究が大事だよ」と言われるのは、会社を「一目ぼれ」だけで選んでいると、後で、「実は自分には合わない相手だった」というように、ガッカリすることが出てくるよ、ということです。「世の中にはどんな会社があるのか」そして、気になった会社があれば「その会社や、その会社のいる業界はどんな特徴があるのか」と、しっかり冷静に見極めることが必要ですよ、と言えると思います。また、手当たり次第に告白(つまり応募ですね)しても、自分自身も分からなくなってしまうので、告白する前にしっかり考えましょう、とも言えるかと思います。
私自身、新卒での就職活動ではやはりBtoC企業に偏って探していました。ですが、世の中にはもっともっと多くの会社があります。
会場を見渡しても、「へぇ、こんな会社があるんだ!」と初めて見る企業や、その商品に驚きました。
実際の就活時期よりも前に、こういったキャリアフォーラムに下見参加される方も多いです。お祭りのような雰囲気の中で流されないためにはこういった対策も必要かもしれません。
コロナが変えた業界とキャリアの視点
このキャリアフォーラムで、2020年に行われたLiveセミナーの項目の中に、「ニューノーマル時代に求められる人材とキャリア形成」(岡田 康夫氏・PwC Japan)なんてタイトルを見ることもできました。COVIDにより、業界それ自体の存在意義が根幹から揺らいだ業界や企業もあります。例えば弊社のような留学エージェントなど「留学」を生業とする企業であれば、「そもそも渡航できない場合、留学はどうすればいい?」「オンラインで学べる環境が整った場合の、カナダ渡航の意味は?」など、非常に大きな問いを業界全体で考えて、試行錯誤を始めたのが20年度、既に5年も前です。
COVID以降は多くの企業が強制的に「変わること」を求められてきました。「今までの成功体験を捨てて、ゼロから再スタートする」というような意味では、今まさに就職活動をして、新しい目線でゼロから仕事に臨める皆さんには、とても大きなアドバンテージがあるように思います。
キャリアフォーラムは、言わばお見合いパーティーのようなものですから、多くの企業を知ることのできるとても良い機会になると思います。
トロント現地のジョブフェア開催
(25年追記)弊社では、最初にこちらの記事を書いた2022年の後、トロント商工会などと協力にて、トロントにある日系企業と主に日本人の留学生を繋ぐジョブフェアの開催に関わって来ました。
2023年・24年では、主催企業として運営にあたり、日系企業の人事の担当者とのやり取りをしてきました。
留学エージェントがなぜ「就職」にまでサポートを広げるのか?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「留学」は、これまでの記事でもお伝えして来た通り、非常に大きな時間とお金の投資です。
留学のその後に、具体的に現地カナダでの就職や、日本での就職につなげていけるようなお手伝いができたらと思う次第です。

