日本人との「リファレンスチェック」- 時差や言語・文化の壁はどう乗り越える?|カナダ就活アドバイザーに聞く

カナダ留学・ワーキングホリデー等、カナダでは外国人に就労の機会が与えられています。しかし、就労するとなると立ちはだかるのが、就職活動の方法が異なることをはじめ、文化や言葉、経験の壁と様々です。
こちらではMYNDSが提携するMiyaco Careerの代表・カナダ就活アドバイザー、渡辺さんよりカナダでの就労や就職活動に関してご案内いただきます。
カナダに移住し初めて就職面接を受けたとき、採用担当者から「推薦者(リファリー)の連絡先を教えて」という指示を受けました。これは「リファレンスチェック」と呼ばれるプロセスで、応募者が自分の推薦者(リファリー)を立てて、採用担当者がリファリーに直接連絡し、職歴や能力の正当性と客観的評価を確認するものです。特にオフィスワークの最終選考で実施されることがあります。
💡リファリーとは?
Refer(参照する・引用する)という単語を元として、採用候補者の経歴や人柄について、前職の雇用主や上司などに問い合わせることをリファレンスチェックと言い、その際に回答してくれる人(前職の雇用主や上司など)のことをReferee(リファリー)と言います。
一般的に、転職者は前職(または現職)の上司を、学生は大学の教授をリファリーに選びます。私の前職の上司は日本在住・日本語話者。時差や言語の壁があり、さらに日本ではリファレンスチェックの文化がないため、どう説明し、どう対応すればいいのか悩みました。
しかし最終的には、リファレンスチェックをスムーズに進めることができました。その理由は、採用担当者とリファリー双方がスムーズにやり取りできるよう調整したからです。

渡辺さん
今回は私自身の経験をもとに 日本在住の日本人リファリーがいる場合のリファレンスチェック対策をご紹介します!
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目次
① 採用担当者に「メールやレターでのリファレンスチェック」を依頼する
多くの場合、採用担当者はリファリーに電話をかけてリファレンスチェックを行います。しかし日本との時差や通話料の問題を考えると、電話での対応は簡単ではありません。
そこで、まず採用担当者に「メールまたはリファレンスレターでの対応が可能か」を相談しましょう。実際、私の場合は「メールでリファレンスレターを提出してもらえればOK」と言われました。
💡リファレンスレターとは?
リファリーが候補者の職歴や実績、能力について記述した文書。採用担当者にメールで提出できるので、国を跨ぐリファレンスチェックの手段として有効です。
② リファリーに協力を依頼する
日本ではリファレンスチェックの文化がないため、いきなり依頼をすると驚かれるかもしれません。そのため、以下の3つのポイントを意識して丁寧に説明しましょう。
(1) リファレンスチェックの目的と内容を伝える
カナダでは、候補者の職歴や能力を確認するためにリファレンスチェックが行われることを説明します。
(2) 対応方法を説明する
メールでの対応の場合、採用担当者からの質問に対し、リファリーがメールで回答する形になります。主な質問内容は、「職歴や実績の確認」「働きぶりの評価」などです。英語での対応が必要になりますが、「自動翻訳を使っても問題ない」と伝えると、リファリーの負担を軽減できます。
またリファレンスレターを求められている場合は、リファリーに自分の実績や働きぶりを文章をまとめてもらい、サインをしてもらうよう依頼するとスムーズです。
(3) リファリーの情報を採用担当者に共有して良いか確認する
上記について、リファリーの了承を得たら、以下の情報を採用担当者に共有してよいか確認しましょう。
・氏名
・会社名
・役職
・メールアドレス など
③ リファレンスチェックの対応を進める
リファリーの承諾を得たら、採用担当者にリファリーの情報を伝えましょう。
またリファレンスレターの場合は、リファリーと協力して作成し、採用担当者に提出します。私の場合は、前職の上司に日本語で私の実績やスキルについて記述してもらい、それを私が英訳し、最終的にリファリーがサインして送信しました。
④ 選考結果と感謝の気持ちを伝える
リファレンスチェック後、選考結果が出たらリファリーに報告し、感謝の気持ちを伝えましょう。たとえ不採用だったとしても、協力へのお礼を伝えることが大切です。実は私の場合も、リファレンスレターを送りましたが、結果的には不採用となりました。リファリーには結果を正直に伝え、感謝を述べたところ、今後のキャリアで再びお世話になる可能性もあるため、良好な関係を保つよう心がけましょう。
リファレンスチェックをチャンスに
リファレンスチェックは、日本人にとっては馴染みが薄く、言語や時差の問題もありハードルが高く感じるかもしれません。しかし、適切な対策を取れば問題なく乗り越えられます。大切なのは、採用担当者とリファリー双方がスムーズにやり取りできるよう調整することです。リファレンスチェックをうまく活用することで、採用担当者に信頼されるだけでなく、過去の上司や同僚との関係をより良いものにするチャンスにもなります。実際にリファレンスチェックに遭遇したら、ぜひこの記事を読み返してください!
執筆者のご紹介
Miyaco Career
Kyo Watanabe – カナダ就活アドバイザー
Instagram: @kyo.miyaco
・Career Professionals of Canada の Career Development Foundations Course 修了
・飲食・航空・オフィス系等、多岐にわたる業界で日本人の就職活動を支援
・ハミルトンのマクマスター大学で9か月間の交換留学経験あり
・日本でIT営業を3年経験後、カナダ・トロントに移住、証券会社事務職として活躍中
Miyaco Careerのサービス、渡辺さんへのインタビューも併せてご覧ください▼

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