就活やキャリアアップに。カナダでも存在する、資格が重視される職業

日本では就活の武器として、おなじみのTOEIC、漢字検定などの検定、簿記やファイナンシャルプランナー、宅建など多彩な資格が存在し、就活に役立つもの、そうでないものもあることと思います。一方、カナダで資格といえばレストランなどで求められる食品衛生に関するもの、お酒をサーブする際に求められるものが一般的で、他にはあまり多く知られていないかもしれません。カナダでは日本と比べ資格の種類はあまり多くないものの、中には特定の職業に就くにあたり資格が求められる業種、逆に言えば資格取得により未経験でもお仕事ゲットがしやすいような職業も存在します。どれも費用はかかりますが、カレッジや大学に2-4年間通学することを比べると費用が安く、独学でも合格できる可能性があることも魅力のひとつです。今回はカナダの就活に役立つ資格についてご紹介いたします。
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目次
カナダの資格職といえば
日本でもおなじみの医療、法律関係は資格職の代表選手ですが、特殊な業界ですので留学生の方で是非挑戦しよう、という方はあまり多くないことと思います。銀行のような金融関係の業界では数多くの資格が存在し、投資関係、税金、企業アカウンティングなど、各分野における資格が存在します。どれもコース受講と同時に実務経験が問われるため、何らかの方法で金融業界に入った後、昇進やステップアップのため、また職場のサポートをもとに資格取得に向けて励まれる方法が一般的なようです。銀行自体はエントリーレベルのポジションであれば学歴や資格なしでも十分採用される可能性がありますので、資格というはっきりした基準で昇進が目指せる点に魅力を感じる方はお勧めの業界かもしれません。他に有名な資格職として、不動産が挙がります。学校通学不要で、独学でコースを受講し、合格すると不動産案内員として登録でき、お客さんにお家を紹介、販売をすることができます。実際に資格取得された方によると、テキストが分厚く試験の難易度が高め、かつコース取得費用、受験料など資格取得までにかかる費用が3000ドル程度と高いにも関わらず、実際に働くにあたりお客さんの確保、広告宣伝など全て自分で行わなければならないこと、会社に所属して働く場合は給料が低いなど、現実は少し厳しいようでした。他の資格職として、私が現在でも働いている保険業界も該当します。保険は一部カレッジのコースで学び、資格取得される方法もありますが、一般的にはカレッジや大学通学歴のない方も多く就業している業界で、州の規定する保険の資格試験合格に向けてコース受講し、合格すると保険会社への就職活動において大変有利になります。保険会社の求人を見ていますと、応募条件において資格の所持が必ず明記されていて、逆に資格のない方でも応募できるポジションは大変珍しいですので、そういった点からも資格をゲットすることでいかに採用に繋がりやすいか、想像つきやすいことと思います。
体験談ー資格取得を目指してから現地の保険会社採用に至るまで
私が保険業界に興味を持ち始めたきっかけは、求人情報を閲覧していて保険会社の求人の多さに気づいたことです。どの求人も資格取得が条件に掲げられていることから、おのずと候補から外れてしまうことで余計に求人が多く感じるようになり、逆に資格を取得したら応募できる企業の数が増えるのではと思い、少し興味を持ちました。また、実際に資格試験に挑戦したことがある知人から話を聞き、その知人を含めカナダ人でも不合格となることが珍しくない、決して易しい内容ではないものの、費用がなんとか捻出できる額であったこと、コロナ中で少し時間があったことが決め手でした。保険の資格とはいえ種類がいくつかあり、ウェブサイトで見ていた試験取得コースが本当に保険会社の求めている試験と合致するのか、コース提供先に問い合わせをして申し込みをしたことを覚えています。自宅に郵送された教科書はとても分厚く、専門用語に辞書を引いて調べたり、メモをたくさんして読み進めました。申し込み後、遅くとも3か月後にはテストを受けなければならず、期限内に試験準備を終えることができるのか、当時在宅勤務とはいえフルタイムで働いていたので時間との戦いでした。家の保険、コンドミニアム、ビジネス保険、車両保険と知識ゼロからのスタートでしたが、合格したら保険会社で働けることを楽しみに夢中で励んだことを覚えています。試験予定日の一か月前程度から複数の保険会社に応募し始め、”〇月□日に資格取得予定”という点をアピールしたところ、現在勤務している会社から待望のお声がかかり、なんと採用が決まりました。試験前に仕事が決まってしまったことで、万が一不合格だったら取り消されるのでは、先方に申し訳ない、という思い、また採用が決まった時点では試験準備が整っている自信が少しあったので、試験日を入社日の2日前に予定を早め、見事合格した形で入社日を迎えることができました。保険業界ではレベル1という、応募条件に掲げられている資格のほか、レベル2、CIP、CAIBといったステップアップに向けたコース、称号が多彩に用意されています。コツコツと地道に勉強し、頑張った人が評価されるシステムを私はとても気に入っていて、入社後約一年という異例の早さで更に2つの試験合格を経てレベル2の称号を取得できたことを誇りに思っています。私の会社では管理職への出世においてレベル2取得が必須とされていますので、それをもって管理職へのお誘い、上司からの推薦をいただき、現在チームリードとしてやりがいのある毎日を過ごせています。
資格取得を検討される方へのアドバイス
以上ご紹介した資格はとても専門的、かつ活躍できる業種がとても限られていることをお気づきの方も多いと思います。不動産と保険、いずれもその業界に就職できるのかどうか、またその業界が自分に向いているのかどうか分からない状況で資格取得への挑戦という、時間と費用を投資することになります。もう少し一般的な資格として、マイクロソフトに関する資格、また資格ではありませんがタイピングに関する無料ソフトを利用してスピードアップに向けて練習し、タイピング速度をレジュメに掲載する方法もあります。オフィスワークを希望される方は求人条件として、タイピングの速度が挙げられていることを見られた方もいるのではないでしょうか。現に私もお仕事探しをしている際、タイピングの速度をレジュメに反映させ、面接で”タイピング早いんだね!”とコメントをいただいたことがあります。他にはバリスタや飲食店関係の資格でしょうか。資格取得では独学又は比較的低予算で特定の業界で求められる知識を取得でき、採用のチャンスを増やすことができる点で魅力的ですが、資格職と呼ばれる一定の職種をのぞき、多くのオフィスワーク、ポジションではカレッジや大学のディプロマ、ディグリー取得が有利とされ、採用の条件とされている場合も多いです。特にビジネスの分野では幅広い業界で知識が適用されること、お仕事の現場で実務経験を積む上での土台作りができている証として優遇されることが多く、学歴社会のカナダではとても有利です。カレッジや大学のコース選択に迷われている方はビジネス関連を履修されることで就業の選択肢が増える一方、幅が広すぎて卒業後、どんな業界に応募したらいいのか分からないという状況も珍しくないことと思います。求人情報を見ていく中でまずは未経験、資格不要で応募できるポジションから挑戦し、難航するようなら保険のような、資格が求められる業種も視野に入れられるといいかもしれません。資格が求められるポジションでは試験勉強に費やす費用と時間がかかりますので、一見敬遠されがちですが、3か月程度の努力で大半の応募者が敬遠するようなポジションに応募でき、ライバルの少ない環境で面接まで進みやすいという考え方もあります。資格が必要だからといって諦めずに、気になる業界について資格の内容を調べてみることで、自分にあったお仕事に就ける可能性が広がることも十分に考えられます。また、近年一部のカレッジや大学では夜間コース、オンラインコースとして短期間でcertificateが取得できるコースを提供しています。大人の方のスキルアップ、生涯学習を目的に提供されていますが、永住権保持者以外の受講にあたり学生ビザの要件が求められる場合がありますので十分ご確認の上ご検討いただければと思います。
カナダでお仕事探しにあたり、一部業種で求められる資格についてご紹介しました。お気づきの通り未経験の方でも気軽に挑戦できる資格の数が少なく、その背景には年齢に関わらずカレッジや大学通学をすることがとても一般的であること、特に近年カレッジの多くのプログラムではコープと呼ばれる関連業種での就労体験がカリキュラムに含まれていることから、就労体験、ディプロマが同時に取得できるカレッジ通学のほうが理にかなっているともいえます。特に今後永住権取得を目指される方、この先長いキャリア人生をカナダで送られる予定のある方は是非カレッジ進学を通してご希望の業界入りを果たしていただければと思います。一方、気になる求人で同じような資格要件が繰り返し出てくる、といった場合はその資格に挑戦するメリットがあるのかもしれません。コース内容や所要時間、コスト、また資格取得によるメリットについて十分ご自身で調べられ、必要であれば周囲の方にご相談の上、挑戦される選択肢もありますね。異国の地でのキャリア形成は決して簡単ではありませんが、皆さんのご希望に沿った業界、業種で成長していけることを願っています。
ライター Aki
ワーホリ、学生ビザ等でのカナダ留学歴約3年半、カナダ移民歴6年のビクトリア在住女性。
飲食店や介護施設、サービス業など幅広い業種を経験した後、ブリティッシュ・コロンビア州の保険資格を取得し、現在保険会社にて顧客対応、管理業務に従事している。
趣味はパブリックスピーキング、ズンバ、ヨガなど。
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