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vol.12 カナダ留学で学ぶ「因果応報」:小さな行動が未来を変える理由

※この記事は2021年に執筆したものですが、2025年に加筆・構成を見直しました。

迷ったときに読みたい、留学コラム

留学中やその前後に、多くの人が直面する迷いや不安について、現場経験から感じたことをまとめています。MYNDS代表・海野芽瑠萌による、実体験に基づく留学コラムです。

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因果応報とは?

本日のテーマは、「因果応報」としました。

ぱっと見て、ぎょっとした方もいるのかもしれません。というのも、この言葉は、「悪いことをすれば罰があたる」と悪い方だけに理解されることがあります。ただ、実は、原因としての善い行いをすれば、善い結果が得られるというように、単純に原因と結果を表す言葉なんですね。

同じく誤解されやすい、「情けは人の為ならず」という言葉も、「(甘やかすので)人の為にならない」という意味ではなく、人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分に戻ってくる、という意味です。

「日々の行動が将来をつくる」

あなたの留学生活は、どのくらいの期間の予定でしょうか?1か月?半年?1年?または大学4年など長期でしょうか?

プランしている時には長いように感じても、あっという間に過ぎてしまうのが留学生生活です。振り返った時に、「あぁ、もっとこういうことをしておけば・・・」と後悔される方、「やり切った!大満足!」と思えるかどうかは、日々のなんでもない小さい行動や努力がとても大事です。

留学して何を学ぶ場合でも、やはりべ―スとしての語学力は皆さん気になる所でしょう。15年以上、多くの留学生を見てきましたが、留学の滞在期間と英語力の伸びはかなり個人差があります。同じ学校の同じレベルでスタートしたはずの友達が、久しぶりに会ってレストランに行ってみると、「えっ!」と驚くほど流暢になっていたというようなことを経験する方もいるでしょう。

また、留学後の就職活動の面接やエントリーシートで、友人や一緒に面接を受けた方の留学体験がとても充実していて、焦った!という経験もするかもしれません。

未来の自分が、「もう!もっと頑張っておいてよ!」と怒らないように、日々の活動を大事にしていきましょう。以前、航空券や学費、滞在費など留学にかかった費用を全て足して日割りにして、1日いくら!と計算した方が以前いました。私の留学には、1日これだけかかってるから、さぼるとこれだけのお金を捨てたことになるんだ、と言いう感覚で、過ごしてみるのも良い方法かもしれません。

多様性社会での行動の重要性

カナダは非常に多様な民族から構成された国・文化です。異なる宗教・言語・人種の人たちがたくさん暮らしているため、暗黙の了解ではなく、お互いにリスペクトし合う態度をしっかり見せることがとても大事なことがあります。

例えば、日本では比較的サービスする側とされる側の立場が明確に分かれているので、店員さんやタクシードライバーなどにいちいち笑顔を見せたり、話しかけたりということはあまりしません。そのため、特にサービスにおいて、日本の生活が長い方の場合、全く悪気なく、日本では普通ですが、カナダのスタンダードでは無礼と取られる振る舞いをしていることもあったりします。

「Excuse me!」と声を出してレストランのサーバーを呼び、席に来たタイミングで「I will get this.(これにします)」とオーダーした後、なんだかサーバーの人が冷たい。席についた時はもっと愛想が良かったのに・・・。

これは、カナダのレストランでは、サーバーがテーブルごとに回ってくるので、そのタイミングを待つか、忙しそうな時でも目を合わせて合図を送るなどするのが一般的だから。すみませーん!と席に呼びつける態度は、他のお客さんやその人にとっての同僚の目の前で「あなたのサービスが足りてない・遅いですよ!」とアピールしているように取れるからです。また、サーバーが「How are you?」などと話しかけている場合は、軽く目を合わせて挨拶を返すなどがどちらかというと常識的な態度で、目を合わせない・日本の「いらっしゃいませ」と同様に考えて無視してオーダーする、などは、こちらから進んで失礼な態度を取っていることになります。

笑顔で接し、メニューについて質問するなど、サーバーの方を「ただの店員」扱いせず、対等な人としてリスペクトを持って扱うことで、サービスの内容が全く変わることも多々あるのです。

自分の他者への態度が、そのまま、カナダでの「外国人としての自分の扱い」に跳ね返ってくるので、留学中は日本の当たり前や、日本でのこれまでのやり方にとらわれずに、カナダの中での自分を再構築する必要がありそうですね。

「人との出会い」が因果を生む留学

語学学校の最初のクラスが同じだった友達の結婚式に行った、ワーホリ時代の友人仲間で数年ぶりに集まった、ホストファミリーの所に数年後の旅行の時に滞在した、こんな話は決して珍しくありません。

留学だけで帰るつもりが、縁あって、現地で就職したり、結婚などで移民して、思いがけず長期間カナダに住むことになりました、という方も。

「人」から得られる情報や、そこから繋がるご縁ほど、大事なものはありません。自分ではコントロールできないからこそ、事前には全く予想していなかった結果へと繋がることもあります。

限られた時間だからこそ、出会う人を大切にしてください。

「自分」と向き合う

これまでの記事でもお伝えしてきた通り、全ては「自分次第」です。自分らしさ、自己実現、本当の自分・・・色々な言葉で表されているので迷ってしまいますよね。

留学をプランする時、まだここにはいない「英語が話せる自分」「国際感覚を身につけた自分」を意識して、どんな自分になりたいか、ということを考える機会が増えます。

留学のカウンセリングする時に、「どうしたらいいと思いますか?」「本当にこれでいいと思いますか?」と聞かれることも多々あります。未来の自分に対する期待感と、何かが決まるとそこへ向かって、もう否応なしに動いてしまうという恐怖が同時に生まれ、不安になるのはとても自然なことだと言えます。

多くの方にとって、留学は人生で最も多くのお金を使う大きな決断となることが多いと思います。失敗したくない!という思いも強く持つと思います。でも、心配しないでください。ここまでにお話ししてきた通り、自分の小さな行動の積み重ね、正しいと思ってやってきたことが、未来の自分に繋がります。

未来へのギフト

今、目の前で行う作業、決断、その1つ1つは、今すぐには返ってこないかもしれません。もしかしたら、途中で不安になることもあるかもしれません。

でも、「因果応報」「情けは人の為ならず」の言葉通り、1年後、5年後、もしかしたら30年後に、とても大きな何かになって自分に戻ってくる、一度そう信じてみます。そうすると、全て未来の自分へのギフトになりますよね。そう考えることができたら、毎日の勉強や仕事など留学生活に、ワクワクして取り組めるような気がしませんか。

「和」と「我」のバランス

私は、「和」を尊ぶ日本の文化は素晴らしいものだと思います。ですが、この「和」が邪魔をして、自分(または他人)の自由を奪ったり、選択肢を狭めたり、奉仕するばかりになって皆さんが疲れてしまっていることもあると思います。

我儘(自分の“まま”で改めない、変えない)ではいけませんが、もう少し、「我」を出していいのではないか、と思います。

1つの方法としてカナダに来て、「個」を主張・尊重する文化に触れて、「自分」が主役であっていいのだ、他の誰かのために生きなくていいのだ、ということをより多くの日本人に知って頂きたいと思います。

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