留学道⑧‐生きにくさ
弊社のメインオフィスがあるのはカナダ、トロントです。
え?カナダ留学と言えば、やっぱりバンクーバーでしょ?
確かに、西海岸、日本からも飛行機で比較的近く(それでも8時間ですが・・・)、気候も温暖、過ごしやすいバンクーバーは留学生にとても人気です。でも、この数年は、本当にトロントへの留学生が増えていて、日系コミュニティもすごく発達しました。
トロント(Toronto)という言葉の由来は諸説あるようですが、やはり一番よく知られているのが、「人が集まる所」という意味。
水の流れる所は人が移動しますからね。
もうきっと語りつくされてきたのだと思いますが、移民国家カナダ、その中でもトロントのよい所は、この流動性と多様性だと本当に感じます。私がこちらにいる10年の間、日本に帰り、既にトロントを離れた方が、また何らかの機会を見つけて戻っていらっしゃる、ということが何度もありました。でも意外と皆さん、滞在中は、「トロント大好き!!」とは思っていなかったりするんですよね。
航空券も高いし、日本から13時間
東京ほど栄えているわけでもなく、交通網もそこそこ不便
家賃も高けりゃ物価も高い
工事ばっかりしていてごみごみしている
イベントもあるけどまぁ日本ほどではない
たまに日本にいるのとそんなに変わらない気がする
(言い過ぎですか?)
そんなトロントなんですが、なんでこんなに好きなんだろう、と考えた時、私は”埋もれてしまえる”ことではないかな、と思いました。トロントにはびっくりするくらい色んな人種、色んな服装の人がいて、例えば先週末は、Pride week(※LGBTのイベント)でしたが、露出の程度がはなはだしい人たちが電車に乗ってきても、みんな全然引きません。普通。(笑)アジア人で中肉中背の私など、とっても普通。
タイトルの「生きにくさ」に繋がりますが、25歳までを日本で過ごした私にとって、日本はとても窮屈でした。その窮屈さに「生きにくさ」を感じて、日本を脱出してきた方も結構多いのかな、と感じます。人と違うこと、普通ということがなんだか分からなくなって、海外に出てみたら、みんな違って、でもそれが普通で安心した、そういう感覚を持った方も多いと思います。
日本でも発達障害という言葉が広く知られるようになりましたね。それからLGBTについても少しずつ認知されるようになってきたのかなと感じます。ワーキングプア、貧困、それから最近は毒親という言葉で、親御さんとの関係に悩んでいる方の話がされるようになってきました。
程度の差はあれ、皆さんそれぞれが何か、悩みを抱えていて、誰にも言えなくて、または分かってもらえなくて苦しい、生きにくい、と感じているとして、少なくとも私の知っている限り、カナダという国はそういった違いにとても寛容だと思います。
私はこういう人だ、こういう人間なんだ、と開き直ってわがまま・自分勝手にふるまうのではなく、受け入れてもらえてうれしい!と思えたら、生きにくさから感じていた疎外感や、苦しみって、結構、すっきりなくなるものです。
それに、悩んでいる時って、目の前にあるその問題しか見えませんが、俯瞰で少し離れて見ると、意外と大したことないじゃん、と思えたりもします。留学にいらっしゃった方は、皆さん口をそろえて、日本の良さを語るようになります。外に出て、客観視した時に、「あれ、日本っていい国じゃん。」と気づくんですよね。
自分では悩みがない、と思っている方も、広い世界で、自分のことを少し客観的に見て、「あれ、自分の人生、結構いいじゃん。」と思えたらとても素敵です。
カナダ留学の良さは、言語だけではありません。
ぜひ、カナダに来てみてくださいね。
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