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vol.20 留学と移民③【カナダ移民を考えたら】

カナダ移民

 

迷ったときに読みたい、留学コラム

留学中やその前後に、多くの人が直面する迷いや不安について、現場経験から感じたことをまとめています。MYNDS代表・海野芽瑠萌による、実体験に基づく留学コラムです。

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2024年から2025年にかけて、カナダへの移民を希望している方々にとって、大きな制度変更が相次ぎました。
情報が錯綜していた時期もようやく落ち着き、2026年を迎えた今、改めて「カナダ留学を経てからの移民」について整理しておきたいと思います。

このシリーズでは、初回で「移民を達成した後の現実」について、2回目では「永住権と日本国籍をどう考えるか」について書いてきました。今回は3回目として、制度の全体像と現場で見てきた実例を踏まえながら、「移民を考える際に知っておいてほしい現実」をまとめます。

カナダ永住権、ざっくり理解

「今、カナダにワーホリ・学生でいて、カナダに移民したいと考えているのですが、”どうすれば”いいですか?」という質問を頂戴することがありますが、「どうすれば」はなかなか一言で説明できません。

具体的なシステムやポイント、戦略については、移民コンサルタントや移民弁護士などの専門家の方にお任せするとして、「カナダの移民制度はよくわからない」と思う方のためにざっくりとした全体像だけお話しますね。

まず、カナダにはフェデラル(国全体)とプロビンシャル(州)がそれぞれに移民制度を持っており、それぞれに要件が異なります。日本で言うと、関東・関西・九州など地方別に制度が分かれている、というイメージですね。

日本も同様ですが、州(地方)によって、風土や人口、産業も違うため、その州が「求める人材像」はそれぞれに違います。例えば、商業が盛んな州では大企業を支えられるような高学歴の人、マネジメントができる人、公用語である英仏双方を操れる人が強く求められる一方で、漁業や農業が盛んな州ではなかなかその需要がありません。各州が、こういった自分の州で重要視するカテゴリやスキル等に、名前・点数をつけるなどして、独自の換算をしています。

とは言え、同じ国の中で行うことですから、移民制度のすべてが州ごとにてんでバラバラで全然違う、ということではなく、ある程度の共通点はあります。そのため、1つか2つくらいの州の制度を調べていくと、なんとなく全体像が見えて来ますので、安心してください。

つまり「どうすれば?」の一旦の回答としては、「方法はいっぱいあるんです」となります。

移民を考えた時点でまずは情報収集から

20年近い経験の中で、滞在中の方からの「移民したい」のご相談は、それこそ数えきれないぐらい頂戴してきました。

その上で、「どうすればいい?」を考えるための一番最初のアドバイスは「とにもかくにも情報収集」です。

昔は、ネット情報を鵜呑みにせず、必ず移民局のウェブサイトや、移民局の情報を元に発信している移民コンサルタントのウェブサイト等を自分で調べましょう、とアドバイスしていましたが、今は、Chat GPT等便利なAIツールがたくさんあるため、まずは概要について質問してみるのがいいと思います。 上記で私が説明したような概要はもっともっと上手に、AIが説明してくれるはずですし、深堀りもしてくれます。

(※古い情報や間違った情報が提供されることもあるので全てを鵜呑みにしないよう、自分で取捨選択しましょう。)

全体像をある程度捉えた上で動くのと、友人や知り合いの話・ネット・SNS・留学エージェントと無資格者から聞いた断片情報で闇雲に動くのとでは効率が全く違います。

昔よりも圧倒的に情報が得やすくなっているので、まずは情報収集が第一です。

例えば、プロビンシャル(州)の移民制度の中でも、例えば、その州で働いた経験・またはカレッジや大学などの高等教育機関に行った経験がプラスに働くように設定している所も多くあります。そのため、その州への移民を希望するのであれば、最初からそこへ行き、そこで学び、働くのが近道だと分かりますよね。そので、トロントでの語学留学から転換して、州をまたいで進学した方、実際に永住権までたどり着いた方もいらっしゃいます。

移民コンサルタントの使い方

調べていく中で、自分の調査には限界が来て、資格者である移民コンサルタントに情報をもらいたい、と考える方も多いでしょう。

多くの場合でサポートが有料となる資格者・コンサルの使い方で、大きく分けて2種類の考え方があると感じます。

①「資格者にお任せすればなんとかなる」という考え方

コンサルタントは一緒に戦略を立ててくれる方です。より正確なアドバイスや戦略設定をするためには、「あなた側」でも情報の整理や仮説立てが不可欠です。

「移民したいのですが」と手放しで相談する所ではない、とイメージしておくと分かりやすいと思います。 最初の情報収集をしないまま、移民コンサルタントにコンタクトしてしまうと、情報が少なすぎて、一般的な回答しかもらえないことが多いです。「あなたの条件なら、〇〇州の移民制度がぴったりで、こうすれば取れます」と言ったような「答え」が出て来るわけではないので、まずは情報収集をしましょう。

②「有料=自分であれこれ考えた後の最後の究極の手段」「自分でもできる」との考え方

確かに移民コンサルタントにサポートや手続きを頼まずとも移民はできます。

ただ、特に、留学前・進学前の段階で、移民を目指している方に多いのが、ご自身で調べることができるだけに頭でっかちになってしまい、より良い方法があるのではないか、より簡単な・節約できるカテゴリ・州は・・・?と、資格者に頼るのを後回しにしてしまうパターンはとてももったいないと思います。

半年~1年と堂々巡りを繰り返し、気づけば移民計画は何も進んでいない、そして、刻一刻と移民制度自体が変わって行くとなると本当にもったいないです。

頼りすぎず、かと言って遠ざけ過ぎず、上手に資格者と付き合う必要がありますね。

結婚移民やその他のカテゴリ

最初にご紹介した方法は、カナダでの就労経験や学歴などをもとに移民する方法が多いですが、カナダは、自国での生活が困難または危険がある難民がカナダで安心して生活をすること、結婚などでカナダ人と家族になった方の移民も認めています。

結婚での永住権取得は、体感としてもかなり多く、もともとは自力での移民を目指していたが、それでは時間がかかりすぎてしまうのでまず結婚(コモンロー)という選択をされるカップルも多いです。

特にカレッジ進学を検討される方で、「実は、お付き合いしている人がいて、カナダに残るために進学を検討している」という相談を頂くことも多く、もはや私は結婚カウンセラーでは?と思うほどに(笑)、たくさんのカップルの方の相談にも乗って来ました。

ビザなどによる物理的なタイムリミット、お金、年齢など様々な要素が絡んでくるため、どの方法を取るかは本当にそれぞれです。移民の手続き自体はそれほど難しいものではありませんが、その前段階で、人生プランを考える必要があるため、迷うことも多いですね。

その他、投資移民、アーティストなどもカテゴリの設定があります。その名前からも想像できる通り資金力が必要になる移民の方法です。

移民の方法は1つだけではないのですが、職種・年齢・英語力・資金力によっては最初から挑戦できないカテゴリももちろんあります。

望んでいても移民に至らないケースもある

カナダの永住権は、望む人に平等にチャンスがあるわけではなく、職種や給与要件によっては、最初から正攻法では移民できるルートに乗っていないということも実はあります。

最初に情報収集が非常に重要と言いましたが、このまま頑張っても今の制度では永住権のチャンスが非常に低いということもあり得るので、【移民したい】という気持ちの前に、客観的な意見を求めることもとても重要です。

また、学生・ワーホリ・ワークなどを利用して5年、10年などの長きにわたりカナダで生活をした結果、移民に「至らない」という結果が待ち受けていることもあります。または、自分の判断として、「移民は挑戦せず帰国する」という選択肢を選ぶ方もいるでしょう。

日本に帰国後も、日本からカナダとの人材や情報、モノの行き来に関わる仕事に就き、引き続きカナダとの縁を繋いでいる方もたくさんいます。日本で、または別の国でも生活や就労ができる基盤を作っておくことも重要です。

移民しても帰る人もいる

このように苦労して取得する方が多い永住権ですが、【5人に1人(20%)が25年以内にはカナダを去っている、またその多くは、最初の5年以内(=更新を迎えない)】というデータがあります。

私も実際に、日本人で数名、苦労して取得した永住権の1回目の更新をせずに放棄した方を知っています。

この話が実は、シリーズとしては1つ目、移民0~5年目、5年目移行、5~10年、10年以降と私個人の考えも含めてご紹介した記事とも繋がります。

帰国の理由は、ご家族の介護、家族内の意見の不一致などもありますが、ご本人がカナダでの長期の生活を見据えた際に合わないと感じた、なども入ります。

まとめ:移民は目的ではなく、結果のひとつ

ここまで、カナダ留学を経てからの移民について、制度面と実際のケースの両方からお話してきました。
移民は、努力すれば必ずたどり着けるゴールでもなければ、取れなかったら失敗、というものでもありません。

制度、職種、タイミング、価値観。
それらが重なった結果として、取る人もいれば、取らない人、途中で手放す人もいます。

だからこそ、「移民できるかどうか」だけをゴールにした留学には、慎重であってほしいと思っています。
カナダに残ること、日本に帰ること、別の国へ行くこと。どの選択も、本人が納得していれば、正解になり得ます。

このシリーズが、移民を勧めるためでも、諦めさせるためでもなく、
「自分はこの先、どこで、どんな人生を送りたいのか」を考えるきっかけになれば幸いです。

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