【カナダで働きたい30代・40代・50代へ】就労ビザの現実を整理します

日本で学校を卒業後、そのまま就職し、忙しく仕事を続けて30代、40代、50代を迎えた。
日本でのキャリアは一段落し、これまでの経験を活かして海外で働いてみたい。最近は、周囲からも転職やリスキリングといった話題を耳にするようになり、「学び直しをしながら現地での再就職を目指したい」と考える方も増えています。
実際に、MYNDSでもここ数年、留学や海外就職に関するご相談の年齢層が、少しずつ上がってきている印象があります。
そうしたご相談の中で多いのが、
「できれば学校には行かず(または最小限にして)カナダで働きたいと思っています」
というご希望です。
確かに留学には費用もかかりますし、まだ職務経験のない若い方と違って、即戦力となり得るスキルをお持ちの方の場合、「できるだけ早く働きたい!」とお考えになるのは当然のことです。
ただ、海外就職を考えたとき、必ずセットで考えなければならないのが「就労ビザ」です。日本と同様、外国人がカナダで働くためには、必ず就労ビザが必要となります。カナダでの就職と就労ビザについては、誤解されていたり、もっと簡単なものだと思っている方が多いように日々感じています。
具体的な就労ビザの申請方法や条件については、移民コンサルタントや移民弁護士などの専門家の方に依頼が必要となりますが、その前段階として、この記事では、ワーキングホリデーが使えない方向けに、カナダで働くための就労ビザの全体像を、分かりやすく整理してご紹介します。
カナダ就職に関する基本的な疑問については、以下のQ&Aページもあわせてご参照ください。
- カナダの大学・カレッジ進学に興味がある
- ワーホリで働きながら留学したい
- カナダで就職・移民が気になる
- Co-op、看護師留学など多数取り扱い
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「働きたいからまず就労ビザを申請する」はできない
まず大前提として知っておいていただきたいのは、「カナダで働きたいという希望を元に、まず、カナダの就労ビザを申請する」という形は基本的に存在しない、という点です。
外国人が働くということは、現地の人の就労機会と常にバランスを取る必要があります。ちょうど日本でも外国人の労働・移民についての議論が活発化していますので実感いただけると思いますが、どの国でも失業率や移民の扱いは、国の経済や財政に大きく関わる重要な指標です。そのため、外国人に対して無条件で就労ビザを与える国はほとんどありません。
カナダの場合も同様で、就労ビザは必ず「何らかの条件」や「大義名分」と結びついています。この前提を理解しておくことで、ここからご紹介する各方法が、理解しやすいと思います。
ワーキングホリデーは、例外的に恵まれた制度
ワーキングホリデーは、18〜30歳までの方のみが取得できる、非常に特殊な就労ビザの制度です。
ROワーキングホリデーの場合は35歳まで申請可能ですが、いずれにしても年齢制限がある制度です。
この記事をお読みの方の中には、すでに年齢制限を超えてしまっている、という方も多いかと思います。それでも、あえて最初にワーキングホリデーに触れているのは、「カナダで働く=まず就労ビザを申請する」という考え方自体が、実はズレていることを知っていただきたかったからです。
ワーキングホリデーは、若者の文化交流や海外経験を目的とした制度であり、年齢という明確な条件を付けた上で、限定的に就労が認められています。無条件で働けるビザではなく、「条件があるからこそ成り立っている制度」なのです。
家族関係、勤務先によって取得できる就労ビザ
他にも、条件さえ合えば比較的スムーズに就労ビザを取得できるケースもあります。
例えば、
・カナダ人と結婚し、家族として移民申請をしている場合
・就労ビザや学生ビザを持つ配偶者に帯同する場合
・日本企業のカナダ支店などへの駐在や社内異動
といったケースです。
最初の2つは、ワーキングホリデーと同様、雇用主を選ばず自由に働けるビザが出ます。
3番目のケースは、雇用主限定、多くの場合で2年や4年など期間も限定的なビザが取得できます。延長は可能ですが自動延長ではなく、再度の申請と審査となります。例えば、スキルが高い人がカナダに来て指導する、またはエンジニアなど特定の専門スキルがある方が来て現地の労働者にトレーニングを行う、または逆で社内トレーニングとしてカナダにやってきて日本にその知識を持ち帰るなど、直接的に「現地の人の雇用機会を奪う」ことにならないような理由づけが必要です。
これらはいずれも、「個人の希望」ではなく、家族関係や企業の活動といった背景があり、結果として就労が認められる形です。ただ、誰にでも当てはまる選択肢ではありませんよね。
※配偶者が就労ビザを取ることができる、教育機関・プログラムは2024年以降、変更が入っています。全ての学生ビザ保持者の配偶者が取得できるわけではありませんのでご注意ください。
多くの方が検討する「現地企業スポンサー」という方法
ワーキングホリデーが使えない方の中で、多くの方が一度は検討されるのが、カナダ企業に雇用してもらい、就労ビザのスポンサーになってもらう方法です。
特に、日本で外資系企業に勤めている方や、海外経験があり英語での面接に対応できる方は、まずは就職活動から始めてみたいと考えるかもしれません。
ただし、ここで注意が必要なのは、
「内定をもらえた=就労ビザも出してもらえる」
わけではない、という点です。
企業が自由に海外の人を採用して、「雇いましたのでよろしく」と政府に申請したら就労ビザが自由に下りるようでは、どんどん外国人労働者が増えてしまいますし、その結果、国内の人材にしわ寄せが来て失業率が悪化してしまいますよね。そのため、企業側にも満たさなければいけない条件などがあります。
カナダでは、外国人を雇用する場合、外国人本人だけではなく(この場合はあなた)、企業側にも条件や手続き、費用負担があります。まだ働きぶりが分からない外国人をスポンサーすることは、企業にとって大きなハードルです。そのため、応募条件として「すでにカナダで働けるビザを持っていること」が求められることも少なくありません。
この記事を書いている筆者自身も、カナダ企業からポジションのオファーを受けた後に、「ビザのサポートはできないので。」と言われ、話がなくなってしまった経験があります。どれだけスキルや経験があっても、「ビザを持っている人」との競争では不利になることがある、という現実は知っておいていただきたい点です。
もちろん、スポンサーを得て就労ビザを取得された方も実際にいらっしゃいます。運や縁の要素も大きいため、挑戦する場合は、就職活動の段階からビザについてもしっかり理解し、面接時にも話題にしておくことが重要です。
選択肢としてのカナダ進学
MYNDSでは、カナダ進学を多くご紹介していますが、「就職するために、なぜ進学が必要なのか」と疑問を持たれる方も多いと思います。
特にカナダのカレッジ・大学進学は学費負担も大きいため、一見遠回りに見える方法を取ることに抵抗を持つ方も多いでしょう。
ただ、ここまでのお話して来た通り、年齢・結婚・現在の雇用・縁や運が関係してくる就労ビザと違い、進学は比較的どなたでもニュートラルにトライできる方法であると言えます。
カナダの公立カレッジや大学は、ほとんどが公立機関であり、留学生は学費や生活費を通じて、カナダ経済に大きく貢献する存在です。せっかく来てくれた外国人に対して、「学業を終えたらさっさと帰ってくださいね」と言ってしまったら、誰もカナダに来たくないですし、優秀な人材がカナダ企業やカナダ経済に貢献する機会も奪ってしまいます。
そのため、一定の条件を満たす教育機関・プログラムの卒業生に対しては、卒業後に就労が認められる制度が用意されています。それが、Post-Graduation Work Permit(PGWP)です。また、学生として学校に在籍している間は合法にアルバイト等での就労も可能です。(語学留学生は不可)
PGWPを利用すれば、現地で就労経験を積み、カナダ企業での再就職を目指すことが可能になります。学費や生活費を含めると大きな投資にはなりますが、英語力の向上、専門知識の習得、現地生活経験、就労までを一つの流れで考えられる方法でもあります。
カナダ進学についてはこちらも合わせてご覧ください。
組み合わせで就労を目指す
進学にそこまでの予算を割くことが難しい場合には、私立の専門学校に通いながら、在学中のアルバイトや学校のサポートを活用し、現地で雇用主を見つけてスポンサーを目指す、という、組み合わせも考えられます。
私立の学校はPGWPの対象にはなりませんが、在学中の就労は可能です。
いきなり国外から就職活動を行い、就労ビザのサポートもしてくれる雇用主を見つけることはなかなか難しいかもしれませんが、カナダでその分野の知識を身に付け、現地での生活についても確立している方をサポートする方が企業側の負担も少し和らぎます。
条件やリスクは増えますが、ご自身の状況に合わせた現実的な選択肢として検討される方ももちろんいらっしゃいます。
まとめ:就労ビザは「条件」と「順番」で決まります
いかがでしょうか。「就職したい」だけでは越えられない就労ビザの壁について、少しだけイメージの一助となれば幸いです。
「カナダで働きたい」という思い自体は、決して否定されるものではありません。ただし、就労ビザは希望だけで取得できるものではなく、必ず条件と順番があります。
大切なのは、「働きたい → ビザを申請する」という順番ではなく、
ご自身がどの条件に当てはまるかを整理する →その条件に合ったステータスを取得する →その結果として「働ける状態」になる
という順番で考えることです。
まずは全体像を理解し、ご自身の年齢、経験、資金、そして将来像に照らし合わせながら、現実的な選択肢を一つずつ検討していくこと。それが、遠回りをしないための第一歩になります。


