自転車は車と同じ、交通ルールを守って安全運転を。カナダで自転車に乗る際の基本ルール

日本人留学生の多くは、通学や通勤の際に電車やバス等の公共交通機関を利用されています。
一方で、現地生活に慣れてきた方の中には、運動のため、交通費の節約のため、天気が良い時期に自転車に乗るのが好き、など様々な理由で自転車を利用する方も増えてきました。
カナダでは自転車も車両とみなされ、道路交通法に従う義務があります。ただし、州や市によって細かい規則が異なるため、滞在する地域のルールを把握しておくことが重要です。本記事では、特にオンタリオ州・トロントなど都市部の情報を中心に、自転車に乗る際の注意点とルールを解説します。
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自転車の法的な扱いと道の走り方
自転車は道路交通法の一部として扱われ、車と同じように信号・標識を守らなければなりません。歩道や横断歩道は原則として自転車に乗って進むことはできず、押して歩く必要があります。トロント市のガイドでも「Cyclists must obey all traffic lights and signs」(自転車も全ての信号・標識を守るべき)と明記されています。
また、自転車は道路の右側(進行方向側)を走るのが原則で、逆走は違反となります。
トロント市がウェブサイトにCycling Network Mapで自転車専用レーンが整備されている箇所をマップで案内しています。
ライト・反射器具・ベルの装着義務
安全走行のために必要な装備が法律で定められています。ライト・反射材・ベル(ホーン)は義務装備です。具体的には以下の通りです。
- ・前部ライト:白またはアンバーの灯
- ・後部ライトまたは反射板:赤色
- ・フロントフォークには白のリフレクター、リアフォークには赤のリフレクターなど反射材
- ・ベルまたはホーン:音で存在を知らせるために必要
これらの装備を怠ると、ライト不備などで 85ドルの罰金という条例もあります。
また、点灯すべき時間も定められており、日没30分前〜日の出30分後の間にはライトを点灯しなければなりません。
ヘルメット着用義務
オンタリオ州では、18歳未満の自転車走行者にはヘルメットの着用義務が法律で定められています。
18歳以上の大人は法律上は義務ではありませんが、事故時の頭部保護の観点から強く推奨されています。トロント市の条例でも、18歳以上は義務ではないがヘルメット着用を推奨する旨が示されています。
なお、ヘルメットには基準があり、カナダ製やCSA 基準、Snell 基準などの認証を満たすものを選ぶべきです。
曲がる・止まる時のハンドシグナル
車と同じように、自転車にも合図(ウィンカーに相当する手信号)を出す義務があります。これは後続者や歩行者に意図を知らせて安全性を高めるためです。代表的なものは以下の通りです。
- ・左折:左手を水平に伸ばす
- ・右折:左手を 90°上に曲げる
- ・停止:左手を下に下げる
合図なしで曲がったり止まったりすると、他者から見て急に動いたと判断され、危険な衝突を招く可能性があります。
オンタリオ州の自転車ルールについてのガイドブックで詳しく図付きで説明があるので、ご確認ください。
ストリートカー・スクールバスへの対応と通過禁止区間
トロントなどストリートカー(路面電車)が走る地域では、ストリートカーの駅停車時や乗降客がいるときは追い越し禁止とされています。通過時は一定の距離を空けて停止する必要があります。
また、スクールバスの停止表示が出ているときには、自転車も含めて停止が義務付けられている場面があります(バス停止中は全車両停止)。
罰金・違反例
自転車ルールを違反した際の罰金額は条例や州法によって異なります。トロント市の場合、いくつかの典型的な違反と罰金例は次の通りです。
- ・信号無視…$260
- ・左右合図なし…$85
- ・ライト不備…$85
- ・歩行者の通行の妨げ…$300
- ・ストリートカー近接追い越し違反…$85
罰金額は定額罰(“set fine”)で、関連法令の付随料が別途課されることがあります。
また、違反チケットが発行された場合、自転車違反は通常運転免許への減点(Demerit Points)には結び付けられないケースが多いです。
E バイク(電動アシスト自転車)に関する規定
近年普及してきた電動アシスト自転車(e-bike、power-assisted bicycle)は、通常の自転車と同じ交通法規を適用されることが多いですが、特定要件が課されている場合もあります。例えば、最高出力や補助速度制限などが定められる州もあります。
オンタリオ州では、e-bike も通常の自転車と同じくヘルメットの着用が推奨され、未成年には義務となっている場合もあります。
留学生・在住者として知っておきたい安全運転のポイント
- ・夜間や視界悪化時は必ずライトを点灯:昼間でも雨や霧のときは使うと安全性が高まります。
- ・高視認ウェアや反射材を活用:車や他の自転車から見えにくいと事故リスクが上がります。
- ・交差点・車道での右折・左折位置に注意:大きな車やトラックの死角に隠れないように。
- ・自転車の整備確認:ブレーキ・タイヤ空気圧・ライトの作動確認を常に行う。
- ・スマホ操作・イヤホンの使用を避ける:周囲の音・状況が把握できない状態は危険。
- ・保険・健康保険の確認:事故時の医療費をカバーできるよう、カナダの健康保険や滞在先保険を確認しておきましょう。
まとめ:安心して自転車を楽しむために
自転車は移動手段としても健康維持の手段としても優れていますが、交通ルールを守らなければトラブルや事故につながるリスクがあります。特に、ライト・反射器具・ベル・ヘルメット装着義務などの基本的な装備を怠ると罰金が科される場合もあります。
留学やワーホリ、長期滞在中の方にとって、自転車を使った移動は経済的かつ自由度の高い選択肢になり得ます。本記事を参考に、滞在先の市・州の公式自転車条例を合わせて調べつつ、安全に楽しめるサイクリングライフを送ってください。
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