1. HOME
  2. 留学生活・留学準備
  3. オンタリオ州の公的医療保険OHIPと留学生・ワーキングホリデーの保険選択

オンタリオ州の公的医療保険OHIPと留学生・ワーキングホリデーの保険選択

オンタリオ州の公的医療保険OHIPと留学生・ワーキングホリデーの保険選択

カナダの州保険、留学生やワーキングホリデーは対象?

カナダ留学やワーキングホリデーに向けて準備する中で、手続きの一つに含まれる保険。海外の医療費は高額なために、万が一の際に備えて必ず留学保険に加入するよう、学校や留学エージェントから勧めていることが多いです。留学保険を調べてみると、保険料は決して安いものではなく、できれば費用を抑えたいと思ってしまいますね。

そんな時、「カナダ留学で公的医療保険(州保険)に加入していた」「州保険は無料で加入できる」という噂や事例があることから、「自分もカナダの公的医療保険に加入できるのでは?」と期待を抱かれる方がいらっしゃいます。多くの場合は、保険料を節約したいという考えがあるようです。

結論からすると、州によっては留学生やワーキングホリデーの方でも加入できます。ただし、保険加入の要件は州ごとに大きく異なるため、滞在予定の州の保険制度を確認する必要があります。

こちらの記事では、留学都市として人気のトロントがある、オンタリオ州の保険『OHIP(Ontario Health Insurance Plan)』について、留学生やワーキングホリデーの方に向けてご紹介します。

カナダで留学してみませんか?
  • カナダの大学・カレッジ進学に興味がある
  • ワーホリで働きながら留学したい
  • カナダで就職・移民が気になる
  • Co-op、看護師留学など多数取り扱い

あなたに合った留学のカタチをご紹介します。留学のご相談は無料です。

OHIPとは

OHIP(Ontario Health Insurance Plan)は、オンタリオ州が提供する公的医療保険制度です。カナダの医療制度は州ごとに運営されており、OHIPはオンタリオ州に居住するカナダ市民や永住者を中心に提供されています。保険料は税金によって賄われており、加入は無料です。OHIPに加入していると、次のような医療サービスが原則として無料で受けられます。

  • ・医師による診察
  • ・入院や外科手術
  • ・救急医療サービス
  • ・必要に応じた検査・診断

一方で、以下のような医療サービスはOHIPの対象外です。

  • ・歯科治療(虫歯治療、抜歯、矯正など)
  • ・処方薬の費用(例外的に高齢者や低所得層向けの補助制度はあり)
  • ・視力検査、眼鏡やコンタクトレンズの購入
  • ・救援者渡航費や本国への緊急帰国費用
  • ・損害賠償責任、盗難や物損といった非医療的リスク

OHIPはあくまで「医師が施す基本的な医療サービスや緊急医療サービス」を対象とする制度であり、留学生やワーキングホリデーの方が必要とする幅広い補償を網羅するものではないことを押さえておく必要があります。

OHIPの補償範囲について
https://www.ontario.ca/page/what-ohip-covers

OHIPの加入要件

オンタリオ州政府が定めるOHIPの加入資格は、次の最低条件すべてに加え、追加条件のうち少なくとも1つを満たす場合としています。

最低条件(次のすべてを満たす必要があります)

  • ・12か月間のうち153日以上オンタリオ州に物理的に滞在していること
  • ・州に住み始めた直後の最初の183日のうち、少なくとも153日オンタリオ州に物理的に滞在していること
  • ・オンタリオ州を主な居住地としていること追加条件
追加条件(次のうち少なくとも1つに該当する必要があります)

  • ・カナダ市民(citizen)である
  • ・先住民である(連邦インディアン法の下で登録されている)
  • ・永住者(permanent resident)である
  • ・カナダでの永住権を申請しており、次の3点すべてを満たしている場合:
      ーIRCCに申請を提出済みである
      ーIRCCが申請内容を審査し、申請資格を満たしていると確認している(必要書類を参照)
      ー申請が却下されていない
  • ・有効な就労許可を持ち、オンタリオ州内の雇用主のもとでフルタイムで少なくとも6か月間働いている
      ※この条件を満たしていれば、配偶者や扶養家族もOHIPの対象になる可能性がある
      ※就労許可が期限切れでもmaintained statusを保持していれば対象になる可能性がる
  • ・連邦政府のLive-in Caregiver Programに基づく有効な就労許可でオンタリオ州に滞在している
  • ・連邦政府のSeasonal Agricultural Worker Programに基づく有効な就労許可でオンタリオ州に滞在している
  • ・カナダ移民・難民委員会により定義される条約難民、またはその他の保護対象者である
  • ・一時居住者許可を持っている(ケースタイプ86〜95に限る)
  • ・カナダに合法的に滞在できる聖職者であり、オンタリオ州で少なくとも6か月間フルタイムで宗教活動を行う予定である
      ※この条件を満たしていれば、配偶者や扶養家族もOHIPの対象になる可能性がある

学生ビザやワーキングホリデービザで滞在していれば、最低条件は満たすことができそうです。ただ、追加条件についてはいかがでしょうか?
「有効な就労許可を持ち、オンタリオ州内の雇用主のもとでフルタイムで少なくとも6か月間働いている」の部分であれば、何とか該当する方も出てくるかもしれません。

また、「一時居住者許可を持っている(ケースタイプ86〜95に限る)」の項目に関しては、学生ビザやワーキングホリデービザが該当するように見えます。ところが、ビザを確認してみると、学生ビザはCase type 31、ワーキングホリデービザはCase type 58、Co-opワークパーミットはCase type 59 と記載されています。そのため、こちらの項目には該当しません。

つまり、ビジター(観光ビザ)や学生ビザでは加入ができないことが分かります。ワーキングホリデービザやCo-opワークパーミットを保有して就労する場合には、加入条件を満たす可能性が出てきます。

州ごとの加入要件

カナダは、連邦制国家として知られている通り、国と州との間で権限を分担しています。そのため、カナダ全体に関わる基準は国で設けているものの、教育制度や医療制度は州ごとに管理されています。公的健康保険制度に関しては、国のCanada Health Act(カナダ保健法)によって、医学的に必要な病院サービス、医師による診療、特定の外科的歯科治療について保障しなければならないとしており、どのサービスを保障するか、またその費用を全額負担するか一部負担とするか、保険加入資格などは、州や準州が独自に決定します。
留学生やワーキングホリデーで気になる保険加入資格に関しては、州によって明確な違いがあります。前項でオンタリオ州の加入要件について確認しましたので、ここでは留学生やワーキングホリデーの方が比較的多い州についても整理してみましょう。

ブリティッシュコロンビア州(BC州)
すべてのBC州居住者に州保険(MSP: Medical Services Plan)への加入が義務づけられています。ここで言われている「BC州居住者」には、6か月以上滞在する学生ビザ保有者やワーキングホリデービザ保有者が含まれています。学生ビザ保有者についてはBC州に到着後早々に、ワーキングホリデービザ所持者については6か月以上の雇用で週18時間以上の就労といった条件のもと、申請をするよう定められています。

▼こちらの記事もチェック!

カナダBC州の公的医療保険、MSPのビザ別活用方法
カナダBC州の公的医療保険、MSPのビザ別活用方法
カナダ留学にあたり、滞在期間に関わらず必要不可欠なものとして医療保険があります。カナダの医療費用が著しく高いこと、従来健康な方でも予期せぬ怪我や病気、特に環境の変化により…記事を読む



アルバータ州
アルバータ州の州保険(AHCIP : Alberta Health Care Insurance Plan)も学生ビザ保有者や就労ビザ保有者など、一時滞在者の加入を可能としています。加入条件は、12か月間以上、アルバータ州に居住する予定であることで、居住期間は長く設定されているものの、他州に比べて加入条件は柔軟な側面があります。

ケベック州
ケベック州の州保険(RAMQ: Régie de l’assurance maladie du Québec)は留学生やワーキングホリデーのようなオープンワークパーミット(雇用主が決まっていない就労許可)の保有者に関しては保険加入の対象ではないとしています。留学生に関しては、ケベック州と社会保障協定を結んでいる国(主にヨーロッパ)からの、就学/インターンシップの許可証の保有者は加入対象という独特の条件もあります。日本は協定国ではありません。

日本人のOHIP加入事例

ビジターや学生ビザではOHIPへの加入ができないと分かるものの、ワーキングホリデービザやCo-opワークパーミットで居住要件や就労要件を満たすことができれば、OHIPへの加入は不可能ではありません。ワーキングホリデーでOHIPに加入できたという事例が報告されていることも事実です。それでは、日本人の一時滞在者でOHIPに加入できているのはどのような方たちなのか、具体的に例を見てみましょう。
※カナダの市民権、永住権を持っている方は当然OHIPに加入しているため、こちらでは触れません。



①雇用主のサポートを得て取得した就労ビザ(Employer specific work permit)を保有しているAさん
Aさんはフルタイム雇用されているため、ご自身のOHIP加入と同時に、配偶者である奥様、さらに、同行しているお子様も同様に加入対象となり、家族全員でカバーを受けられています。

②PGWPでフルタイム雇用されている卒業生Bさん
トロントのカレッジを卒業したBさんは、卒業後にPGWPを取得しました。卒業後すぐにIT企業でフルタイム契約を結び、勤務期間は1年以上。雇用主が発行した雇用証明書をServiceOntarioに提出し、無事OHIPに加入。

③永住権申請中のCさん
カナダエクスペリエンスクラスで永住権を申請中、結果が出るまでの間もOHIPの対象となりました。

④ワーキングホリデーのDさん
ワーキングホリデーでトロントに滞在していたDさんは、6か月以上のフルタイム雇用契約を得ることができました。雇用主から雇用証明書を発行してもらい、申請したところOHIPに加入できました。

⑤Co-opプログラムで就労中の留学生Eさん
専門学校のプログラムにCo-op(有給インターンシップ)が組み込まれているEさんは、Co-op期間中フルタイム勤務をすることになりました。Co-opワークパーミットと雇用契約書を提示。結果、OHIP加入が認められました。



ワーキングホリデーやCo-opワークパーミットを含む、就労ビザを保有している場合、6か月以上のフルタイム雇用契約を持っているかどうかが鍵となります。実際に、OHIPを申請する際にはオンタリオ州の雇用主によるフルタイム雇用の証明が必要です。次の項で申請時の書類について確認します。

オンタリオ州の公的医療保険OHIPと留学生・ワーキングホリデーの保険選択・留学保険・カナダのメディケア

OHIP申請時の必要書類

OHIPの加入要件を満たすことが確認できたら、申請手続きを行います。手続きは対面のみ、Service Ontarioに必ず出向いて行う必要があります。その際に準備するものは次の通りです。

  • ・指定のOHIP申請フォーム
  • ・カナダでのステータスの証明(例:就労ビザ)
  • ・オンタリオ州の居住者であることの証明(例:オンタリオフォトカード)
  • ・身分証明書(例:パスポート)
  • ・就労ビザの場合、オンタリオ州の雇用主によるフルタイム雇用証明
  •  以下の内容が記載された、雇用主の社名(レターヘッド)、署名・日付入りの契約書またはレターが必要。
     ー従業員がフルタイムで勤務していること
     ー職種または職業名
     ー雇用開始日
     ー雇用主が、従業員を最低6か月間雇用する意向があること

OHIPの注意点

OHIPに加入できれば、医師の診察や必要な検査が無料で受けられ、海外医療保険では適用にならない慢性的な症状もカバーされたりと、とても魅力的な制度です。しかし一方で、加入できたとしても留学生やワーキングホリデーの方にとっては100%安心とは言えない点があります。

歯科や眼科、処方薬は対象外のため、日常的に発生しやすい医療費は自己負担となる
日本の健康保険では一般的に3割負担となる歯科や眼科、処方薬もOHIPではカバーされません。歯科や眼科は年齢や所得、症状によって対象になりますが、対象外になる方が多いです。カナダ市民や永住者もこの点は同様のため、民間保険や会社のグループ保険で補っているのが実情です。

怪我や病気で日本へ緊急帰国する場合の費用(repatriation)はカバーされない
万が一大きな怪我や病気が起こった場合、医師の判断により、本国への緊急帰国が必要になる可能性があります。OHIPを含むカナダの公的医療保険では、帰国の際に必要となる航空券などの渡航費は対象になりません。特にワーキングホリデーの入国規定として、カナダ移民局(IRCC)はこの点について明確に示しています。

Your insurance must cover:
medical care
hospitalization and
repatriation (returning you to your country in the event of severe illness, injury or death)
When you arrive at the port of entry, you must have health insurance valid for your entire stay in Canada. Having a valid provincial health card is not enough. Repatriation is not covered by provincial health insurance.



損害賠償や物損、盗難といった非医療リスクは対象外
留学中はあまり高価なものを持ち運ぶことはないかもしれませんが、スマートフォンやノートパソコン、タブレット、カメラ等の突然の破損や紛失、盗難などに遭った場合、その損失は大きいです。また、自身が滞在先の家財や借り物を壊したり、失くしてしまうこともあるかもしれません。カナダの公的医療保険は医療を対象としているため、損害は当然補償されません。



このような点から、「OHIPに加入できるからする」「OHIPがあれば安心」ということはなく、留学生やワーキングホリデーでたとえOHIPに加入できるとしても、留学保険には加入している必要があると言えます。これは海外に限ったことではありません。日本で暮らしていても公的医療保険に加入しながら、任意で民間の保険に加入している方は多いのではないでしょうか。
オンタリオ州への留学・ワーキングホリデーでは、その目的に沿って設計された留学保険をメインとして捉え、カナダで生活していく中で補償を広げる必要性がある場合、かつ、加入要件を満たす場合にはOHIPに加入するという考え方が適切と言えるでしょう。

OHIPに加入できたら留学保険を解約しても良いか

保険料を節約するために、「OHIPに加入できたら留学保険を解約しよう」と考えられていることがあります。留学保険を解約できるか/解約できないかというと、「解約できる」です。ただ、解約するべきか/解約しないべきかというと、こちらの項でも触れているように、OHIPは万全ではないので、「解約しないべき」です。
ここでもいくつか注意があります。

留学保険は州保険との同時加入が可能か
留学保険のプランによっては州保険との同時加入ができないものもあります。州保険との同時加入ができない留学保険の場合は契約を打ち切り、州保険との同時加入が必要な留学保険に入り直しましょう。

ビザの規定に反する
ワーキングホリデーの参加要件は滞在期間のすべてをカバーする保険(medical care、hospitalization、repatriationの補償が含まれている)に加入していることですが、留学保険を解約することはこの規定に反することになります。

保険会社がカナダ政府機関に報告することがある
保険会社によっては、ビザの要件となっている保険を途中で解約した場合、カナダ移民局(IRCC)や国境サービス庁(CBSA)に報告すると規定していることがあります。そのため、ワーキングホリデーの方が留学保険を途中で解約した場合、報告される可能性があります。

まとめ:メインは留学保険、プラスでOHIP

オンタリオ州の公的医療保険OHIPは、同州に居住する人々の基礎的な医療補償を支えるための必要不可欠な制度です。一方で、留学生やワーキングホリデーで一時滞在する際に起こり得る医療や損害に対しては十分ではありません。加入対象となる可能性があるとしても、しっかりと民間保険に加入しておくことが重要です。
保険の選択について、節約という観点から州保険に関心を持つ方が多いですが、留学・ワーキングホリデーでは、起こり得るリスクを想定したうえでどのような補償が必要かを考えるべきです。OHIPに加入できればそれに越したことはありませんが、「州保険があれば安心」と過信せず、保険の補償内容や規定を理解して、自分の状況に合った備えを整えておきましょう。


📩 留学・留学準備に関するご相談はこちら

留学やカナダの留学準備について、もっと詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

関連記事

毎月お得なキャンペーン


毎月お得なプロモーション

Instagram でフォロー