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【2026年版】カナダのタックスリターン‐よくある誤解と「追徴・還付」が分かれる本当のポイント

カナダのタックスリターン‐よくある誤解と「追徴・還付」が分かれる本当のポイント

例年、1月~2月は「カナダのタックスリターン」についてのご質問をたくさんいただきます。ただ、誤解されている方も非常に多いため、15年以上、この業界にいるベテランカウンセラーのMerumoより、実例も踏まえて少し突っ込んでご案内しようと思います。

この機会に、働き方・税金について・所属している学校についても、改めて知る機会にして頂ければと思います。

制度それ自体、基本事項についてはこちらも合わせてどうぞ!

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タックスリターンは「必ずお金が戻る」手続きではありません

リターンという単語が使われているので、戻って来るものだと思い込んでしまう方が多いのですが、【絶対に戻って来る】手続きではありません。制度をよく理解しないまま還付金を期待して申告し、$3000の追徴課税の連絡が来てしまった、という方も過去にいらっしゃいましたので、まずは前提をざっくりご説明しますね。

タックスリターンは日本語で言う【確定申告】が一番わかりやすいです。もう、その名の通り、確定・申告。1年に稼いだお金、払った税金を整理して【確定】させ、【申告】する。それに応じて、払いすぎがあれば返してもらい、足りなければ払う、こういう手続きです。どこの国も基本的には同じように個人の税金を1年に1回整理しています。

そのため、カナダのタックスリターンをした時も、返って来る場合もあれば、払う場合もあります。上述の追徴課税が出た方は、税金を支払っていない収入が多かったので、なんとびっくり$3000もの追徴となってしまいました。(※この点については、後でまた詳しくご紹介します)

カナダのタックスリターンは日本の年末調整とは仕組みが違います

日本にいた時は、会社で年末調整をやってくれていた、と言う方も多いでしょう。

カナダは全て個人になります。下記の通り、T4という書類を受け取って、申請が必要になります。

日本の会社はとっても親切ですよね!日本のありがたみを感じます。

T4が出ない=違法?よくある勘違い

T4について雇用主に確認したら、「出せない」と言われてしまいました。これって違法ですよね?

というご相談を頂くことが例年あります。T4、つまり、源泉徴収票は、カナダの雇用主は翌年2月末までに従業員に渡すことが義務になっています。既に辞めたスタッフであっても、その義務はもちろん免除になりません。出さない、というのはもちろん、辞め方が悪かった、関係が悪かった、などの場合に渡さない、なども違法です。必ず雇用主から受け取ってください。

ただし、なのですが、「出してくれない、雇用主が違法だ!」とおっしゃる方のお話をよくよく聞くと、勘違いがあることが稀にあります。

例えば、デザインやなど在宅でできる仕事で、先方と決めた額をもらっていた、プロジェクトで1回限りでまとまった金額を支払ってもらった、というようなケース。

T4を企業が発行しないといけないのは、あくまで、「雇用している従業員」宛てです。個人事業主・フリーランスを雇うことは会社にとって何ら問題なく、その場合、直接雇用ではないので、T4は発行されません。$1000/月や、プロジェクト完了後に$3000など、キレイに割り切れる数字の額をもらっていた場合は、元々税金が引かれていない収入だった可能性が高いです。

ワンポイントアドバイス
収入の種類によっては、T4Aという書類をもらうこともありますが、税金が源泉徴収されていない点は同じです。

所得税を引かれていない額面をそのまま受け取っていたので、あなた「個人」の方に所得税の支払い義務がありますから、タックスリターンで収入として申告の必要があります。契約上、T4が出ないことそれ自体に違法性はないのに、「出ないっておかしくないですか」と雇用主に食って掛かってしまった・・・と後悔されるケースもあるので、誤解のないようぜひご注意ください。

現金払いの仕事は違法なのか?

お給料を現金でもらっていたんですが、これは違法ですか?

これもよく頂戴するご質問ですが、現金でお給料を受け取ることそれ自体は違法ではないですよ、ご安心ください。ただ、現金は想像できる通り、記録に残らないお金となって曖昧になりがち。いくつかのケースを見て来ましたので追加でご紹介・解説します。

まずは、現金で受け取っていたが、所得税を引いたという明細をいつももらっていたというケース。

所得税についてなどの明細を受け取っている場合は、あくまで給与のもらい方だけの話で違法性は全くありませんし、タックスリターンで何か損になることもありません。T4も出るはずですので、タックスリターンを通常通り行います。安心してくださいね。とは言え、キャッシュレスが進んでいるカナダで、2026年現在、このような受け取り方をしている方はかなり少ないとは思います。

次の2つが過去に何度か頂いたことがある質問で、注意が必要なケースですね。

雇用ではなかったケース(外注・フリーランス)

前段でご紹介したように、会社としては雇用ではなくあくまで外注者、フリーランス、あなたを個人事業主扱いして仕事を回して、現金などで支払っていたというケース。これは、雇用扱いにはなっていませんので、T4は出ません。都度払い・現金払いでもらっていたことそれ自体には、上記のケースと同様、違法性はありませんのでご安心ください。(※E-Transferなども同様です)

ただ、外注・フリーランス扱いの場合は通常はインボイス(請求書)を「あなたが」会社宛てに発行して支払いを受け取る流れを提示されるはずです。その手続きを会社側が省略したため、自分は雇われていると思っていた、というケースもありますし、そう言えば、仕事を始める時に「外注扱いでお願いね」「税金申請はご自身でお願いします」と言われていたが、あまりよくわかっていなかった、など、雇用形態について改めて気づく方も多いようです。

税金とは少し話がずれますが、雇用契約を結ぶことによって、Vacation Pay等、給与に付随して受け取れる額が大きくなることもあります。仕事を引き受ける前に、雇用形態や給与、税金の支払いについてはしっかり確認しましょう。

Under the table(帳簿に載らない現金払い)のケースとそのリスク

会社側が、負担する税金を減らしたい意図があって、帳簿を通していない現金を払っていたケースも、例年耳にします。税金はきちんと正しく納める必要がありますから、雇用主側に故意にごまかしの意図がある場合は、もちろん雇用主側が違法です。ただ、前段のお話のように、最初から雇用時に「税金は、自分で申告してね」と言われていたが、時間が経つうちにそれを忘れていた、というケースもあります。

これらとは別に、よくよくお話を聞いてみると、雇用開始の時点で、「現金の方が多く払えるけど、どうする?」「多いなら現金で!」など、怪しい会話になっていたのにご本人さんがそのリスクに気づいていなかったケースが多々あります。

雇用主は、現金で支払う・多くなるという言葉で、暗に「税金、ごまかすことできるよ」とあなたに持ち掛け、同意の上であなたもそれに乗ったと思っていた。税金を引いていない、キリの良い数字のお給料をあなたも受け取っていた場合、「税金を払ってないなんて知らなかった」は少し苦しい言い訳です。

とは言え、私の経験の中では、お話していく中で、「そういえば…」と出てくることが多いため、「現金にすることで、手数料などが会社側は得なのかな?」「短期だし、そういうこともあるのかな?」と信じ込んでしまった、というケースもあるのだと思います。

カナダだから、雇用主が言ってるのだから、と安易に受け入れず、「いえ、銀行振り込みで大丈夫です。明細は頂けますか?」と突っぱねるのが安心です。

ここまでが理解できても「なるほど、私はじゃあ、”戻って来ない”んですね…」とおっしゃる方もいるため、恐らく、最初にご説明した通り、タックス”リターン”という単語から「お金がもらえる手続き」だと勘違いしてしまうことが原因の1つでもあると思います。払っていない税金が還付されることはもちろんありません。逆に、申告して正しい税金を払う必要があります。

なぜT4が出ていても申告が必要なのか

「問題なく税金を納めていた、という書類がT4で、それが出るのなら、なぜわざわざ申告しないといけないのですか?手続きがややこしそうだし、仕組みも良く分からない!」と思う方もいるかもしれません。

外国で、しかも、日本語でも分かりにくい税金についての手続きをするのは不安ですよね。「なぜ?」についてざっくりご説明しましょう。

まず、カナダも日本と同様、収入が高くなるほど高いパーセンテージで所得税が引かれる累進課税になっています。そのため、例えば、2か所に雇用されていてT4が2枚ある場合などは分かりやすいですよね。それぞれの雇用主は、あくまで自社が出した分に相当する税金しか払っていません。「あなた」の側で双方を合算して申告することによって、例えば以下の表の「課税区分」が変わる収入になってしまった場合は、所得税の調整が起きる可能性があります。

カナダの所得税(2025年)

カナダ政府(CRA)公式|個人向け所得税率

通常、毎月のお給料は、「この金額なら、1年ではこの課税区分の中に入るはず」と、仮で所得税が計算されています。ほとんどの方は2週間ごと、1か月ごとなどにお給料もらっているので、全体の年収が表の中のいくらになるのかは、終わってみないと分かりませんよね。

例えば、1年のうち数ヶ月しか働いていなかったような場合は、「あら、最終的には少なかった」となりますので、払いすぎていた部分を調整する必要があります。また、毎月の給与に大きな波があるような場合も、「全体で最終的にこうなりました」という数字で調整することになります。

この後に続けてお話しする基礎控除や、各種控除を利用することによって、税金の負担が少なくなることも多いです。日本でも、ふるさと納税は毎年の話題ですよね。寄付や控除によって見た目の収入が減ることになるので、最終的に負担すべき税金が少なくなる、その結果、すでに払っていたものから還付になることが多いです。

還付になるか、追徴になるかの分かれ目

「還付になるなら申告したいし、追加支払いになるなら申告したくない」

そんな皆さんのお気持ちよく分かります。これも目安がありますので、ご紹介しておきます。

日本では、25年に「103万円の壁(160万円の壁)」が話題でしたので、ちょうど理解しやすいタイミングかもしれませんが、カナダにも同じように一定額までの収入について税金の負担を軽減する仕組みがあります。これを英語では、Basic Personal Amount(日本語で基礎控除)と言います。

この収入以下の場合は、この金額分の税額控除が使えるため、結果として所得税がかからないケースが多くなります。

フェデラル:$16,129(最小$14,538)(参照:▶ カナダ政府(CRA)公式|Personal Basic Amount(基礎控除)について)
オンタリオ州:$12,747(参照:▶オンタリオ州|2025年度タックスリターン
ブリティッシュコロンビア州:$12,932(参照:▶ブリティッシュコロンビア州|Basic Personal Income Tax Credits)

※フェデラル(連邦政府)と州とで数字が違うため混乱するかもしれませんが、実際の税額は、これらの控除額をもとに 自動的に計算・調整されるため、申告時に自分で使い分けを判断する必要はありません。

特にワーキングホリデーや学生ビザで働く方の場合、1年のうち数ヶ月しか働けなかったり、年度をまたいだりすることが多いはずです。そうなると、先ほどの話のように高い収入帯を想定して所得税が引かれていたが、実際には年度で区切った場合の収入合計は、そこに到達しなかった、ということが起こりやすいです。

その場合は基本的には、追徴課税とはならず、還付対象になることが多いでしょう。逆に、先にご説明した通り、所得税を差し引かれていない収入があった、掛け持ちをしていて合算すると収入がかなり高くなる、などの場合は、追徴課税になる可能性があります。

最初に例に挙げた、$3000の追徴課税の方はまさにこのようなケースでした。

また、同じく例に挙げたように、雇用主との同意の元、税金を払わず現金で働いていた場合(Under the table)ですが、申告した場合、会社側に雇用の履歴がなかったり、お金の出所が不明になることもあり、有耶無耶にしてしまう方も中にはいらっしゃると思います。MYNDSとしては、最初からこのような働き方はおすすめできません。

学費はタックスリターンの対象になる?

「学校の授業料もタックスリターンの対象になると聞いていたのに、学校(または留学エージェント)に聞いたら、私の学校では出ないとのこと。どういう基準なんでしょう。変な学校を選んでしまったのでしょうか?」

という質問も例年多いです。

高額になりがちな高等教育機関の料金は、控除(Tax Creditと言います)の対象となりますが、語学学校は基本的には対象になりません。ある語学学校では対象だが、別の語学学校は対象外、と言った制度ではないため、語学学校選びには関係しませんのでご安心ください。カレッジ・大学、そして一部の専門学校・職業訓練校などが対象になり、学校からT2202という書類が発行されます。

対象の教育機関の区分

T2202対象の教育機関の区分

カナダ政府(CRA)公式|T2202(Tuition and Enrolment Certificate)と対象となる教育機関

控除とは「課税対象を減らす」仕組み

先ほどから繰り返す通り、リターンと言うとやはり還付だと勘違いしやすいので、日本語で言う「控除」と考える方が誤解が少ないと思います。タックスリターンでの授業料の扱いは、決して払った授業料の一部が現金として戻ってくる、という手続きではなく、その年度の課税対象の収入から、学費の一部が控除される、ということです。控除された結果、日本も、高額な医療費を出したような場合は「控除」が効きますよね。見た目の収入が安くなるので、それにかかる税金も安くなります。

カナダでも、医療、寄付なども控除対象ですので、控除枠がある場合は漏れなく申告することで、税金の還付を受けられる可能性が高くなります。

タックスリターンは自分でできる?

この時期になると、自分で申告のできるツールもたくさん出るため自分でやりたいと思う方も多いと思います。カレッジ・大学生、移民を目指している方など今後、カナダでの生活を続けようと考えている方についてはどこかのタイミングで自分で手続きをする努力をしてみることはおすすめです。

ただ、留学生やワーキングホリデーの方については、自分では手続きせずに、専門の業者さんにお願いした方が良いと思います。理由は3つあります。

カナダの税法知識を知らなくても、今後それほど知る必要がない

カナダの生活が20年近くになってきた私も、タックスリターンについてはわからないこともまだまだたくさんあります。特に留学生の場合、上記の控除や細かい規定につき、1回だけしかしない手続きのために、ご自身で調べるのは非常に手間がかかります。短期滞在者を対象にした業者さんはいくつかありますので、依頼する方が安心だと思います。

申請する・しないの判断を手伝ってもらう

収入がそれほど多くなく戻ってくる料金も少なく、タックスリターンの手続きを依頼する額よりも少なくなってしまう場合は、業者の方と相談し、申請しない、という判断も可能なようです。

もちろん本来は申告義務は全ての方にあります。納めるべき税金を納めなかった場合は追徴課税、そしてその申告が遅れた場合はさらにペナルティがあります。ただ、還付のみが見込まれる場合、実務上ペナルティが問題になることはほとんどありません。

ワンポイントアドバイス
過去のタックスリターンを遡って行うことはできますし、数年分をまとめて申告(File)することも可能です。追徴課税がある場合は、遅れた分にペナルティ(利息)がつきますが、還付に関してはありません。そのため、滞在が数年に及ぶ場合は、帰国前にまとめてされる方もいらっしゃいます。専門業者の方に、申告のタイミングなどについてもご相談ください。

還付金の扱いについて相談できる

小切手でシェアハウスに送付されてしまった、還付小切手を日本に持ち帰ったが換金手数料がとても高額で損をした、などは毎年お聞きします。カナダの銀行口座を残したままで一度帰る方法などについて相談してみましょう。

最後に

私自身、留学サポートに関わって15年ほどになります。税務上の居住状況や申告状況によって、受け取れるクレジットの扱いが変わるのですが、「一時滞在者」への税金の免除や還付の基準は少しずつタイトになってきている印象です。昔は業者側で可能だった代理受け取りと送金についても、My CRAとカナダの銀行口座を結びつけるため、できないことも多いようです。

毎年少しずつ、税金の規定は変わっていますので、申請時点での情報をしっかり確認し、正しい申告をしてください。

MYNDS代表 海野

この記事の担当:MYNDS代表・海野

カナダ留学をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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