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トロント発、日本人が遭遇しているトラブル事例

在トロント日本国総領事館では、トロントの日系企業・団体が集まって治安などに関して情報を交換する『海外安全対策連絡協議会』を定期的に行っています。

この記事では協議会で報告された、トロントで日本人が遭遇しているトラブル事例をご紹介します。

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日本人ならお金を貸してくれる?

トロントのダウンタウン、買い物や待ち合わせの場として賑わうダンダススクエア近辺で、日本人を狙って「お金を貸してほしい」と声を掛けてくる男性がいたそうです。男性はお金が必要な事情を切々と説明し、「必ず返すから」と連絡先を書いたメモを渡してくるのだとか。話しかけられた人の中には「今、持ち合わせがないから…」とその男性とわざわざATMまで行って、現金$500をおろして渡した人もいるそうです。貸したお金はどうなってしまったのでしょうか。

インスタでトロントから発送依頼

「結婚する(予定がある)。トロントにあるドレスショップで見つけたウェディングドレスを代わりに買って送って欲しい。」とインスタグラムを通じて留学生のもとへ連絡が来たそうです。挙式準備に関する不運なエピソードなどを織り交ぜて懇願してこられたとのことですが、こちらのケースは連絡が来た時点で留学生が「怪しい…」と思い、留学エージェントにご相談いただいたため、特に大事には発展せずに終わっています。

賃貸契約でよくある手口

賃貸物件(アパートメントやシェアハウス)に関する詐欺被害は残念ながら絶えず発生しています。一番多いのが、実際に物件の内見までした後で前金・手付金と称する数か月分の賃貸料を要求され、現金で支払ってから、オーナーと名乗る人物と連絡が取れなくなるという被害です。

中でもカナダのことをあまり知らない留学生を狙うという件は多いので、お金のやり取りをする際は必ず証拠を残しておきましょう。前金・手付金に関わらず、月々の賃貸料は可能な限り銀行振り込みにしてもらうことをお勧めします。現金や小切手の場合は、必ず手渡しで領収証を貰うようにしてください。後々になって「支払われてない」とオーナーから主張されて、渋々再度支払う羽目になった、というような相談も寄せられています。

心当たりがない請求の手紙

個人名宛に請求額と振込先が記載された手紙が来ることがあるそうです。

協議会への参加団体に寄せられた件は、「心当たりのない変な手紙が来ました」という相談のみで、実際に振込みをしてしまったという報告は出ていません。それでも個人情報(名前と住所)がどこからか漏れている…というのが気になりますね。

Uberで不当な請求

ある留学生が夜間にUberに乗っていて、車内で嘔吐してしまい、運転手からクリーニング代として何千ドルを支払えと言われ、その運転手に銀行のATMまで連れて行かれたそうです。

※トロントではUberは全てカード自動支払いで、車を汚したらクリーニング代も自動的に引き落とされることになっています。

しかし、そのUber運転手は相手が留学生だと知ってか、ATMに勝手に車を走らせ、何千ドルもの現金を強要しました。学生は未成年だったため、現金引出しに制限をかけており、「現金$400しか引き出せない」と説明すると、その限度額いっぱいの$400ドルを運転手に取られたそうです。

留学生は恐怖で動揺してましたし、嘔吐してしまった申し訳なさもあって、言われるままに現金を渡すしか思い浮かばなかったそうです。

もちろん、Uberの自動引き落としで、運賃とクリーニング代もきっちり引き落とされていました。Uberに苦情を出しましたが、1年以上経っても未解決だったそうです。

日本人はマリファナNO

カナダではマリファナが合法化されました。

留学生がパーティでマリファナを吸引し、具合が悪くなって救急車で搬送されたという件がありました。学生は海外保険に加入していましたが、このケースでは保険適用外で法外な治療費を払う結果となりました。

最近ではマリファナ入りのクッキーやカップケーキなども出回っているそうです。マリファナ入りの食品には実際にどれくらいの量のマリファナが入っているか目に見えません。リアクションが出る前に、知らずにパクパク食べてしまうかもしれません。

そして何より日本人にとってマリファナは違法です。

マリファナはタバコに比べても常用性が無いと言われていますが、他のドラッグへの入り口になる玄関ドラッグと呼ばれている怖さがあります。カナダ人に勧められても、好奇心があったとしても、マリファナには手を出さないでください。

知らない間に詐欺に関わっていた…

ワーキングホリデーの邦人男性が、某求職サイトに登録したところA社からスカウトメールが届きました。メールにはパートタイムであれば即採用するとの内容が書かれていたため、邦人男性はA社で働きたい旨を返信しました。

するとA社から「最初の研修として、あなた(邦人男性)の銀行口座に資金を振り込むので、その資金をビットコインに換金し、指定する先へ送金すること。」と指示を受けたそうです。

邦人男性は指示通り送金を済ませA社へ連絡しましたが、回答はなく連絡が途絶えました。不審に思い自らの銀行口座を確認したところ、口座が凍結されていたとのことです。銀行からは、詐欺に関わった疑いで口座凍結に至ったと説明を受けたそうです。

そこで邦人男性は自分の口座がマネーロンダリングに悪用されたことが判りました。

この事件は、本人が気づかないうちにマネーロンダリングに加担させられたケースです。ネットで職探しをする際には、スカウトメールの内容に不審な点がないか、会社との面識がないのに不審な指示を受けることがないか等、十分に注意してください。

こちらの記事で紹介しているいくつかのケースのように、知らずにおかしな事になっていた、ということは誰にでもあり得ます。実際にどんなことが発生しているのかを知っているのと知らないのとでは、自分がトラブルに巻き込まれた時の対処法が違ってくるので、ぜひ他の方の体験を頭の片隅に置いておいてください。そして「何だか怪しいな…」と感じた時は、大使館・領事館、ジャパニーズ・ソーシャル・サービス(JSS)などに相談をしてみましょう。

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