IELTS対策 初めての受験編

世界的に認知度の高い、英語資格IELTS を受験するにあたって、まずは試験について調べるという受験準備から始めましょう。
IELTSは世界140カ国、1万もの教育、政府、そして国際機関が英語力の判断基準として採用されている英語試験です。日本ではまだあまり知られていないIELTS ですが、進学、永住などカナダで長期滞在を視野に入れる方にとって有益な武器となります。
- カナダの大学・カレッジ進学に興味がある
- ワーホリで働きながら留学したい
- カナダで就職・移民が気になる
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目次
【試験種類】
IELTSは使用目的や申請先によって、試験形式がAcademic ModuleとGeneral Training Moduleの2通りがあります。
ご自身の受験する目的に合わせて正しい方を受験するようにしましょう。
Academic Moduleは、英語圏での高等教育機関(大学、カレッジなど)進学や留学を希望される方向けです。試験内容も、歴史、生物学など専門的かつ学術的な内容が多くなります。
大学やコースによって直接出願に必要な点数は異なりますので、希望する教育機関の出願要件をよく確認しておく必要があります。ご参考まで、オンタリオ州のカレッジでCertificate、Diplomaプログラムのほとんどは、IELTS 6.0、各バンド5.5以上を条件としています。
General Training Moduleは、英語圏での永住権申請や就職を希望されている方向けです。
試験内容は、生活や仕事での会話、移住関係に関わる内容が多いですが、Academic Module同様に、学術的な内容も含まれるためより幅広い知識や語彙力が求められます。
カナダの永住権申請方法はたくさんあり、一概に「何点取ればいい」というような目安はなく、点数は高ければ高いほうが有利になるとお考えください。
では、受験する試験が決まったところで、今度はどんな試験なのか基本的な試験形式について知っておきましょう。
【試験形式】
IELTSは英語の4技能、Listening、Reading、Writing、Speakingごとに合計4セッションで構成されています。最終成績は各項目の点数および4項目の平均点で算出されるバンドスコアで評価されます。ListeningパートとReadingパートはAcademic Module、General Training Moduleともに同じ問題が出題されます。
書面受験と、コンピュータ受験の2通りがありますが、コンピュータ受験のほうが実施頻度も多く、受験結果もより早く受け取れるのでおすすめです。
Listening 40問 約40分(30分+解答用紙への記入時間10分)
4択しか出題されないその他多くの英語試験とは異なり、地図、図表の分類、フローチャートの穴埋め、記述式問題など様々な形式で出題される。
セクション1: 日常会話(登場人物 2~3人)
セクション2: 日常生活を扱った説明(登場人物 1人)
セクション3: 学術的な会話(登場人物 2~3人)
セクション4: 学術的な講義(登場人物1人)
Reading 40問 60分
3つの長文、合計2150-2750 語
様々な分野についての長文3つについて、選択問題、正誤問題、組み合わせ問題、見出し、主題の選択、文章、要約、表などの穴埋め、記述式問題などが出題される。
参考まで、1時間で2000語以上の文章読解を求められるのは、英検だと準一級以上。
Writing 2問 60分
タスク1:約20分、150語以上
タスク2:約40分、250語以上
Speaking 3パート 約11~14分
パート1:本人確認、自己紹介など一般的な質疑応答
パート2:カードに記載されたトピックについて最長2分のスピーチ(準備時間1分)
パート3:パート2のすピートについて質疑応答、ディスカッション
その他試験(CELPIP、TOEFLなど)と比較して、ご自身の目的(進学、移民など)に合わせてご自身と相性のいい試験を探すのもコツの一つです。
同じ英語試験でも、人によって伸びやすい試験や苦手な試験もあるので、いろいろ受けてみるのも手ではある一方で、受験料も時間も有限なので先に各試験の特徴や傾向などを調べておいて、早めに受験する試験を絞ってしまうほうが対策もしやすいですね。
【その他試験との違い】
CELPIP | IELTS | TOEFL | |
---|---|---|---|
試験会場 (カナダ国内) |
33会場 ※日本に会場なし |
119会場 ※日本などでの受験も可能 |
50会場 ※日本などでの受験も可能 |
受験料(カナダドル) | $265+税 |
$309(税込) ※カナダ国外、またカナダでも一部地域は料金が異なる |
$245+税 ※会場や申し込み方法により多少異なる |
試験時間 |
約3時間 ※1日で一気に実施 |
合計約3時間 ※受験方法によっては複数日に分けての受験も可能 |
約3時間 ※1日で一気に実施 |
試験形式 |
パソコン受験のみ ※Speaking もパソコンに向かって |
Computer-BasedとPaper-Basedから選べる ※Speaking は面接官と対面 |
パソコン受験のみ(2021年に紙媒体廃止) ※Speaking もパソコンに向かって |
点数 | 各項目 12点満点 | 各項目 9点満点 | 各項目 20点満点 |
使用英語 | Canadian-English(基本北米なまり、色んな母語の話者も登場する) | British-English(基本英国なまり、綴りも英国基準にしないと減点対象) | American-English(基本北米なまり、色んな母語の話者も登場する) |
各種試験と比較してIELTS の受験を決めた場合、あとは申し込んで試験日程を決めてしまいましょう。
【お申し込み方法】
お申込みはオンラインまたは郵送で行うことができ、受験にはIELTS IDの取得と有効期限内のパスポートが必要です。
カナダで受験する場合、IELTSはBritish Council、IDPを含む複数団体、また各教育機関を通じて受験することができます。日本で受験する場合、IELTSは4つの団体(英検、British Council、JSAF、IDP)を通じで受験することができます。どの団体から申し込みをしても試験の内容は同じです。試験日程や申し込む会場は団体によって異なるため、それぞれのホームページで確認する必要があります。
試験日程が決まった今、あとは試験当日に向けてしっかり勉強しましょう。
最後は試験当日について知っておきたい豆知識をご紹介します。
【受験時の注意事項】
会場に持ち込める手荷物について大変厳しく、①パスポート、②鉛筆(キャップやグリップなど装飾品不可、シャーペンやボールペンなど鉛筆以外の筆記用具不可)、③消しゴム(カバー不可)、④透明な容器に入った水(ラベル不可)、⑤試験当日に有効なパスポートのカラーコピー、のみ持ち込みが認められており、その他は荷物室に預けなければなりません。
他の英語試験と異なり、身分証明書はパスポート以外認められておらず、免許証、マイナンバーカード、学生証などでの代用ができません。さらに本人確認にあたって、指紋認証、顔写真撮影、またSpeaking試験での本人確認も行われるなど、かなり厳重に管理されています。
合計3時間近い試験時間に休憩時間が含まれておらず、お手洗いを使いたい場合など、出入りの際の本人確認含め貴重な試験時間を削ることになるため、できるだけ試験前に済ませておくようにするのがおすすめです。
IELTSは日本でメジャーな英語試験としてあまり知られていませんが、グローバル化に伴い、世界基準の英語力を測る試験として今後はより認知度が高くなると予想されます。海外での進学や永住目的だけではなく、将来外資系や国際団体などで活躍したいという方はIELTS受験を検討してみてはいかがでしょうか。
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