【帰国後】英語求人への就職活動を成功させるために、考えるべきこと【英語力】
カナダ滞在後、日本での就職活動を行う予定の方はたくさんいると思います。
その多くの方が、「英語」をキーワードに就職活動をされるのではないでしょうか?
なりたい仕事に英語が必要だから、カナダで英語を学んでいる
英語が好きになったから、英語を活かした仕事をしたい
せっかく身につけたスキルだから、活かしたい
その就職活動における動機や目的は様々だと思います。
この記事では、英語求人への就職活動における重要なことを分解し、みなさんの就職活動が成功するための参考情報をお伝えできればと思います。
この記事がオススメな人
・帰国直前で就職活動を目の前にしている人
・残りのカナダ生活で何をすべきか考えている人
・これからカナダ生活が始まるが、先のことを見据えておきたい人
- カナダの大学・カレッジ進学に興味がある
- ワーホリで働きながら留学したい
- カナダで就職・移民が気になる
- Co-op、看護師留学など多数取り扱い
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目次
初めに&結論
結論から言うと、全員に共通した「目指せ●●のスコア■■点!!」のようなことは言いません。
また、「英語力以外のスキルが重要!!」のようなことも言いません。
お伝えしたいのは、
自分に合った英語求人への”就職活動戦略”を構築すべきということ。
そのために、以下を細かく説明していきます。
- 英語を使う目的を掘り下げ、ミスマッチになる英語求人を選ばない
- 英語を使用するシーンを具体的にイメージし、自分に必要な英語力を理解する
- 英語力は測りやすい。だから英語力をできるだけ身につける
私はグローバル企業や外資系での人事経験と、就職エージェントでの経験があります。また自身も英語を使って働いた経験もありますので、その経験から上記ポイントについて現実的な情報を通してお話ししていきます。
英語求人に対する理解を深める
結論で述べたとおり、就職の動機はさまざまです。そして、世の中にある求人もさまざまです。
つまり、英語就活を一色単にせず、「なぜ・どんな風に英語を使いたいのか」を深く掘り下げることで、あなたが進べき道筋を見つけることが就職活動の第一歩となります。
1.1. なぜ英語求人の仕事をしたいのか?
残念ながらここでみなさんの個別コンサルティングはできないので、
”英語を使う仕事に就きたい理由”の一般的なものを、3つのパターンに分類してみます。
A)英語そのものが商品・サービスとなっている仕事がしたい
求人例:通訳・翻訳、英語教師・講師、英会話サービス、語学留学エージェントなど
人物タイプ:英語を愛している、英語という言語に魅力を感じている、特出した英語スキルがある
B)英語をツール・強みとして活かせる仕事がしたい
求人例:海外営業、貿易実務、調達・購買・物流、コールセンターなど
人物タイプ:英語力を活かしたい、英語力を伸ばしたい、強みの一つが英語力
C)英語環境の中で仕事がしたい
求人例:海外駐在のある仕事、純外資系、多国籍社員のいるベンチャーなど
人物タイプ:英語を”話す”ことが好き、異文化が好き、日本の風土が合わないと感じている
例えば、C)の英語を”話す”ことが好きという人が、B)の海外営業にチャレンジした結果、お客さんとは毎日メールのやり取りだけでつまらない。というミスマッチが起きる可能性があります。
それを避けるためには、上記のように自身の英語へのモチベーションを深く把握することが何よりも大事となります。
1.2. 英語求人にはどのような仕事があるのか?
次に、英語求人にはどんな仕事や英語使用シーンがあるのか、具体的に見ていきましょう。
一般的に希望者の多い上記の「B)」と「C)」の英語求人を英語の使用頻度によってカテゴリー分けし、それぞれ代表的な仕事紹介などを紹介します。
使用頻度「高」(英語の総合力が求められる)
・海外駐在の仕事
大手メーカー、総合商社、銀行、海運などが代表例。自社の駐在員が多い拠点へ派遣される場合は、日本語使用頻度が高くなる場合もある。英語力が高くなくとも、現地での課題を解決できるスキルを持っていれば派遣される可能性は十分にある。
※中小企業でも駐在はあるが、ポジションが少なくチャンスが少ない。
職種例)営業、経営企画・管理、工場系エンジニア、建設系・プラント系施工管理など
・海外出張が多い仕事
2ヶ月に1回以上の出張がないと、英語使用頻度が高いとは感じにくいかもしれない。出張前後はメールを中心にやりとしながら、出張中の1〜2週間は予定詰め詰めの濃密な時間を過ごす。
職種例)営業、工場系エンジニア、フィールドエンジニアなど
・”純”外資系企業(※また、商品やサービスの開発・製造を日本では行っていない)
日系の血が入っていない、または少ない外資系。上層部はヘッドクォーターから派遣された社員が占める割合が高く、商品やサービスに関する指示や仕入等も基本英語。社内のシステムも英語だったりと、日本語使用環境は顧客や同僚との対話のみという状況もある。日本市場を攻めに来ている会社のため、海外駐在の可能性はほぼ無い点に注意。
職種例)営業、マーケティング、フィールドエンジニア、管理系(人事・経理)
・外資系企業の管理職以上の仕事
日系の血が多く入っている日本的な外資系企業だとしても、管理職となると日々の業務は上層部との会議やレポーティングが中心となる。つまり、本国や自社・所属部署のトップとのやり取りとなり、相手が日本人で無い可能性が高い。
・社内公用語が英語の企業
グローバル日系企業や、ITベンチャーに稀に見られる。前者は日本人の所属が大半でも社内ルールにより日本語使用が限定されている。ただし、形骸化されているケースも多いのが実態。後者は、「優秀なエンジニアであれば国籍不問」という採用を行っているため、共通言語を英語としているケース。自然な英語環境と言える。
使用頻度「中」(メールベースが多い)
・顧客や取引先が海外にある仕事
日系の商品やサービスを海外に売りに出ている企業。大手中小や業界も問わず、多くの仕事がある。特にモノを扱う企業であれば、販売するだけでなく、モノや材料を流す(移動させる)、アフターフォローをする、など経営のプロセスの中で英語を使用するチャンスは色々な部署で存在する。ただし、時差や業務工率・確実性の観点から、メールでの業務となることが多い。
職種例)海外営業、物流、購買・調達、貿易事務、工場系エンジニアなど
・外資系企業での総合職
日本企業との合弁・吸収合併などの会社設立背景により、日本的な考え方や雰囲気が残る外資系。また、日本国内で商品を開発・製造しているケースではほぼ日本語でやり通せることも多い。それでも総合職であれば、本国からの指示や社内システム、上司・上層部とのやり取りに英語を使用するという企業はある。昇格したければ英語力が必須となるケースが多い。
職種例)営業、物流、購買・調達、工場系エンジニア、管理系(人事・経理)
この様に英語求人を分類した上で、自身の目的を正しく理解していれば、自身の狙い目の職種や企業の業態などが見えてくるかもしれません。
2. 英語力は測りやすい能力であることを理解する
いきなりですがクイズです。以下のうち、どの力が選考にて一番判断しやすいでしょうか?
a) 課題解決力 b)英語力 c)営業力
もちろん、b)英語力です。答えは分かったと思いますが、他との違いを説明できますでしょうか?
大きな違いは、その測りやすさにあります。
英語には能力値を表す様々な指標やスコアが存在します。
TOEIC、TOEFL、IELTSなどのスコア系は能力が分かりやすく、また流暢・上級・ビジネスレベル・中級というレベルを表す言葉にもある程度の共通認識があります。
また、面接で1分間会話をしただけでも相手の英語力はかなり把握できます。
※他の二つは分かりやすい指標が存在せず、そもそも定義自体が曖昧ですよね。
この測りやすさから、英語求人における就職活動のポイントが見えてきます。
2.1. 測りやすい=検索性が高い
検索性って何のこと?と思いますよね。
検索性が高いというのは、採用担当者が、英語力を持った人(持っていない人)を見つけ出しやすいという意味となります。
例えば、昨今主流になってきたスカウトサービス。採用担当は登録者のデータベースから自社で欲しい人材を検索していきます。
英語力であれば、「TOEIC:●●点以上」「英語力:読み書き上級以上」「留学経験:あり」などなど、サービスによってその検索軸は多様です。
この検索に引っかかった人にのみ、応募しませんか?とスカウトが送られる仕組みなので、特定の英語力指標を持っていなかったり、スコアやレベルが高くない人は、選考の土俵にも上がらせてもらえないということになります。
また、特に新卒採用で発生する、書類選考やエントリーシート時の足切り。
大量の応募者を判断するために英語力の特定項目で候補者全員を比較し、基準以下の人は不合格にする、と言うことも事実として起きています。(英語力が重要視されている求人の話)
これらは検索性の高さを活かした非常に合理的な選考手法ですので、企業は当たり前にこの様なアクションをします。
2.2. 測りやすい英語力について、みなさんが考えるべきこと
前述の話は、非常にドライな話であり少しネガティブな印象を受ける方もいるかと思います。
ただ、この「測りやすさ」をポジティブに捉えると就職活動で有利にもなれるんです。
それは、「検索されやすい人になる」ということです。
TOEICのスコアを取得する、高得点を目指す
特定の技能にフォーカスをする(話す力、ビジネス英語など)
英語の長期留学にチャレンジしてみる
繰り返しにはなりますが、仮に、英語力以外に素晴らしい能力を持ち合わせていたとしても、英語力が欠けているだけで土俵に上がれないということもある。
それが起きないように、せっかく今英語に触れ合っている皆さんは、英語求人に就きたいのであれば、ギリギリまで自分の英語力検索性を上げることに取り組むべきなんです。
英語力というのは幸いにも、上記で述べたとおり指標やスコアが明確で分かりやすいため、目標を持ちやすいという性質を持っています。
それを上手く利用し、
自分が英語を使いたい目的やシーンを理解した上で、
就職を意識してどの検索軸を上げるべきか戦略を立て、
分かりやすい指標を目指してひたむきに努力する。
それができれば、就職活動の成功率は上げられるはずです!
3. 就職活動のポイント(新卒ー中途、大手ー中小)
最後の章として、簡単ではありますが、新卒/中途、大手/中小という括りで、英語求人の応募におけるポイントを解説します。
・新卒の就職活動
一括新卒採用では、学生の数が多すぎるため企業にとっての「検索性」がとにかく大活躍します。また、検索にTOEICを基準にする企業はとても多く、応募したい英語求人が使用頻度高に当てはまるなら、860点以上は取得しておく必要があると思います。(最低730点)
一方で、英語面接の様な、実践で使える英語力を確認される場面は少ないです。新卒は即戦力ではないと考えられているので、社会に出てから英語力を積み重ねてもらうという会社が多いです。
・中途の就職活動
求人要件が多様であり一概に言えませんが、即戦力を求める求人もあることから、TOEICのスコアに限らず英語力のレベル(上級・中級)や業務使用経験を記載する場面もあると思います。また、オーラルコミュニケーションが求められる求人では英語面接も発生します。新卒に比べると採用職種が明確で英語使用シーンも分かりやすいため、マッチングの判断はしやすい傾向にあります。転職エージェントを使うのが主流となりつつあるので、エージェントに英語力を細かくアピールすることで、エージェントが求人を探すための検索性を上げることなども有効です。
・大手を受ける際
応募者が多く激戦になる傾向があります。英語力も基準がありながらも、その基準を越える応募者が多い場合は基準が更に上がることも考えられます。ただし、社員数が多く優秀な社員も多いため英語人材に枯渇している訳ではなく、英語力は2の次、3の次という企業がほとんどです。それでも、英語ポジションそのものが多く、入社後に様々な環境で英語を使用できる可能性があるのが大きな魅力です。
・中小を受ける際
求められる英語レベルがピンキリで、TOEIC600・英語中級程度でも充分求人が見つかる可能性があります。その背景には応募者が集まらない・社内に英語ポジションが少なく英語人材に人気がない、などといった理由もあるため、英語力を第一優先で採用活動をしている企業も中にはあります。その分、枠が少なかったり他の不人気な理由(待遇面や勤務地など)もあると思いますので注意は必要です。
4. まとめ
就職活動では英語力以上に重要とされる要件はたくさんある、ということは大前提だと私は思っています。
ただし、英語に縁があり、英語にモチベーションがあるのであれば、単純にそれを中心に考えてアピールするということも自然だと思います。
採用企業はみなさんの本質を見てきますので、その自然な英語に対する思いから英語就活を真剣に考え、良い結果を導いてくださいね。
【ライターのご紹介】 池澤 直(Nao Ikezawa)
大学卒業後、ニュージーランドへのワーキングホリデーを経て、株式会社リクルートに入社。人材紹介業に3年間従事したことをきっかけに、その後のキャリアでは大手グローバルメーカーや外資系メーカーなど、合計9年間人事を経験。キャリアの途中でCo-opビザにてトロントへ渡航し、現地企業でのインターン→就業で約2年間滞在。現在はモントリオールに家族で移住し、フリーランスとして主に日本の人材業や人事業務にリモートで携わっている。
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