【高校生・社会人向け】カナダの大学進学ガイド‐出願準備・英語力・費用のすべて

カナダのカレッジ/大学へ進学する日本人留学生は年々増加傾向にあります。カナダ進学の後、その後の就労で一定の条件を満たすと、カナダの永住権を取得できる制度があるため、外国で働きたい、将来的にカナダで長期で暮らしたい方にもカナダ進学はお勧めです。
ただ、カナダの大学制度については全体像を掴むのが難しいという方が多くいらっしゃいます。それもそのはずで、カナダの場合、州政府は、日本の各都道府県の地方自治よりもさらに強く、教育や医療、移民制度などに関する権限を持っています。
「どの大学がいいですか?」「就職に強い大学はどこですか?」という質問も良く頂戴しますが、日本のように偏差値などで全国の大学が一覧でランクが分かりやすくあるわけではなく、学部によっても評価・難易度は様々です。カナダ全土で統一・同一のルールや決まりがあるわけではないため、日本人からすると調べにくい、分かりにくい、となってしまいがち。
このページでは、今、高校生、または高校生のお子様を持つ親御様で、カナダの大学進学を検討している方、または、日本で既に大学を卒業している方がカナダの大学や編入を検討している方向けに、必要な情報をお届けします。
- カナダの大学・カレッジ進学に興味がある
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Table of Contents
カナダの大学(University)の種類
まずは種類について確認しておきましょう。
- 総合大学(Comprehensive Universities):
多くの学部があり学士(Bachelor)、修士(Master)、博士(PhD)まで提供しており、研究活動なども盛んです。トロント大学や、ブリティッシュコロンビア大学など、日本語で調べても名前が挙がりやすい有名大学もこのカテゴリに入ります。
多くの方が「大学」と聞いてイメージするのはこの種類の大学でしょう。特に有名な難関大学は希望者も多いため、GPAなどの成績要件が高いことが多く、競争率が高くなっています。 - 学士課程大学(Primarily Undergraduate Universities):
学士課程(Bachelor)の教育に特化している大学です。日本の場合、高校を卒業してそのまま大学へ進学する方が多いと思いますが、それがUndergraduateです。カナダは、教育のインフレーションが進んでいて、より良い就職などのために、セカンドディグリーと言って学位をもう1つ取得したり、上述のように、修士・博士課程のある大学へ進学するなどして学歴を積み上げることが多いです。 - 専門大学(Specialized or Professional Universities):
芸術、ビジネス、工学、教育など専門的な分野に特化した大学です。日本でも美術大学・教育大学・看護大学などがありますので、イメージしやすいかもしれません。文字通り、内容は専門的なものになりますので、進路が明確な場合に進学を目指す教育機関です。
カナダのカレッジ(College)というと日本の「短期大学」というイメージで捉えている方も多いでしょう。確かに日本の専門学校や短期大学に近い役割を果たすこともありますが、現在はより実践的かつ多様なプログラムを提供しており、一部では学士号も取得可能です。
日本では、「〇〇大学を出た」ということが、明確に就職に有利に働くこともありますが、カナダの場合は、学校名「だけ」ではそれほど大きなアドバンテージになりません。また同じように「大卒」という学歴それ自体で、大きく就職の際のハードルが変わる、ということもありません。ご自身の性格上、大規模な総合大学でコミュニケーションや競争に苦労し埋もれてしまうことを避けるために、郊外で少人数で学べる学士過程大学を選ぶというのも一つの選択肢です。
また、カレッジを卒業して実務経験を積んでから大学に戻る、または、大学を卒業した方が、就職した後に、具体的な職業スキルを身につけるためにカレッジのプログラムを取る、ということも多くあります。有名大学=良い大学、と考えて安易に総合大学を選んでしまったり、大学よりカレッジが”劣る”というような感覚で進学を検討すると、全体像を見失ってしまうことが多い点が、特に日本の教育システムと比べた際の注意点です。
社会人からの大学進学や、移民や移住への足掛かりとしての進学を考える場合は、その州の住みやすさや保険、移民の制度、卒業後の就職なども視野に入れての検討も必要です。
入試制度
日本で言う、試験会場に集まっての入試制度はありません。
基本的には、高校の成績、英語力(※学部により多少異なる)、そして志望理由のエッセイを元に審査されます。入試がないということは、逆に言うと、高校の成績が悪い場合の一発逆転が難しい、という意味です。入学要件(Admission Requirements)のページには、GPA(成績要件)が明確に記載されていることがあります。それよりも成績が足りない場合は、出願自体ができないため、高校の成績がとても重要です。
高校生の場合:特に難易度の高い大学を目指す場合は、高校2年生・3年生などの場合は、成績要件で選択肢が狭まる可能性が高く、遡って高校選びが重要な可能性があります。最初から、カナダに高校留学をするというのも選択肢の1つになるため、近年は留学が若年化しています。GPAが足りない場合で、どうしても難関大学を目指す場合、カナダのカレッジに一度進学し、編入を目指す、または、日本の高校を卒業した後1年程度、現地の単位認定校に通うなどの方法もあります。いずれにせよ、早いタイミングでの検討と準備がおすすめ。
社会人の場合:学士・修士・博士など、どの学位レベルに挑戦するかにもより必要な要件は異なりますが、入試の一発勝負ではなく、高校・大学の成績などが関係して可能性があることをご承知おきください。特に日本の高校の場合、書類の保管期限が過ぎているなどして取得自体が困難な場合があります。出願には一定のGPA基準を満たす必要がありますが、選択肢は複数あります。条件を満たさない場合でも、カレッジ経由の編入や語学準備を経たルートもあります。既に学位をお持ちの場合、カレッジプログラムの方が要件の点で有利な可能性がありますので、早めにご相談ください。

出願に必要な英語力
多くの方が、海外進学を検討する際にまずは英語に手をつけますが、前項の通り、まずは進学先を決めることと、入学要件を調べることが先決となり、英語力はその後でも構いません。教育機関・プログラムによって英語要件は多少異なります。「英語資格試験はどれが良い?」というのも多く頂く質問ですが、カナダ以外の国を検討している場合にも使える上、カナダで進学後に就労ビザや永住権申請などの場合に、同じテスト形式のものを使えるのでIELTSをおすすめします。ただ、高校でTOEFLを中心に勉強した、など、テストに関する素地がある場合は、もちろんTOEFLでも構いません。
個人差や出題傾向の違いはありますが、IELTS、TOEFL、Duolingoいずれも多角的な英語力を測る試験であり、大幅なスコア差が出るケースは稀です。
教育機関により必要な英語力が異なりますが、日本人/日本語話者の感覚としては、IELTS6.0は、自分の考えを最低限、書く・話して伝えられる、大幅なタイムラグなく聞いて・読んで理解できるレベルとしてはIELTS6.0をイメージすると分かりやすいでしょう。当然ながら英語力はあればあるほどよく、授業の理解度、クラスメイトとの交流など全てにおいて役立ちます。
- 職業訓練・カレッジの英語レベル:IELTSで5.5
- 大学(Undergrad)レベル:IELTSで6.0~6.5
- 大学卒業以降(postgraduate/masterなど):IELTSで6.5~7.0など
留学生の出願で、英語力が足りないが、アカデミック要件を全て満たしている場合は、条件付き入学許可を受け取れることがほとんどです。指定の期日までに、英語資格要件を満たすか、もしくは、大学の附属語学学校で学ぶことで、要件を満たせば、本科を開始することができます。つまり、まずは出願要件を満たして出願し、合格を勝ち取ることが先決です。
英語力が足りない場合
・附属語学学校に通う
・進学準備コースのある私立語学学校に通う
上記が一般的です。以前は、まずは渡航して、附属語学学校や進学準備コースを受けるのが一般的でしたが、コロナ以降、各学校でオンラインプログラムの整備がされたため、25年現在、多くの方が日本からオンラインクラスを受講するなどして、前倒しでの準備ができるようになりました。また、AIツールにより、時間・場所を選ばずに学習することも可能に。しっかり準備した人としていない人の変化が出やすいのが現在の英語学習と言えるでしょう。
多くの方が、入学後に、「もっと英語を勉強しておけばよかった」とおっしゃいます。
英語要件を満たすギリギリレベルではなく、英語力はできるだけ上げた上で、入学を迎えられるよう準備しましょう。MYNDSでは、もちろん、パスウェイや附属語学学校の扱いもしています。

学費と奨学金
アメリカでは、学費がかなり高く設定されており、国籍や家庭環境、成績などに応じてかなり大幅な奨学金の付与があるようです。またそういった奨学金の申請を代行する業者も多くいるため、アメリカ・カナダを同時に検討している方から「奨学金はどのくらいもらえますか?」「予算は少ないが、難関大学で奨学金を受けて進学したい」というご質問や希望を頂戴することが多いです。
カナダの教育期間の留学生向けの奨学金は、成績優秀者向け、または、国内ですでに学生ビザを取得している方向けのものなどはありますが、大幅に学費を免除するようなものは少ないです。また、1年目以降の成績を元にアプライ(申請)するようなものも多く、入学前・出願前のタイミングでは分からないことが多いです。
平均的なカナダの大学1年間の学費は留学生ですと、30,000ドル(カナダドル)ほどです。総合大学・難関大学になると、学部によっては50,000ドル~60,000ドル(カナダドル)、そして、地方大学では20,000ドルを切る所も出て来ます。アメリカのように極端に高額な学費が設定されている教育機関はありません。その中で、$1,000~$4,000などが返済不要の奨学金として、授業料から減額されます。もらえたら少し生活費の足しになる程度と考え、奨学金を想定して予算を組むことはおすすめできません。
予算がどうしても心もとない場合は、地方の比較的授業料が安い大学を選ぶか、$15,000~17,000程度と授業料が抑えられるカレッジが現実的なチョイスとなる場合もあります。教育機関・学部にもよって幅があるため、検討時点で、各大学の「Fees(料金)」の箇所も合わせてご確認ください。
※注意※
Domesticと書かれている料金は、カナダ市民権保持者、または永住権保持者の料金です。かなり金額が異なるため、驚かれる方も多いのですが、先述の通り、一部の私立大学を除きカナダの大学は州の運営です。カナダ人やその州の住民には、補助金が発生するため、留学生の授業料はかなり高額となります。例えば、両親のいずれかがカナダに就労ビザを持って駐在している、進学の時点でカナダ人と結婚し永住権を申請しているなどの場合、例外的にカナダ人と同じ授業料の適用となることもあります。これらの授業料の免除・特別措置は、事務局とのやり取りが必要、かつ、ケースバイケースとなります。
進学を検討する際は・・・
「一人で調べるのは不安」「私の成績でも進学できる?」とご不安な方はまずお問い合わせください。
特に、24年度、25年度は、カナダの学生ビザや就労ビザに大きな変更が入りました。過去の情報が既に古い可能性も多くあります。
MYNDSでは予算や英語力、留学期間、目指すプログラムなどにより、ベストな方法を探し出すお手伝いをさせて頂きます。

