英語試験で必ず越えられない壁にぶつかるのはなぜ?スコア停滞期から抜け出す方法

英語試験、スコア停滞期の正体と、そこから抜け出す方法
英語資格試験(IELTS・TOEFL・Duolingo・Cambridge など)を勉強していると、多くの人が 「頑張っているのにスコアが伸びない」 という時期を経験します。
・リスニングが安定しない
・リーディングで時間が足りない
・ライティングが毎回同じスコア
・スピーキングは話せるのに点数が伸びない
努力しているからこそ、この停滞は精神的にも大きな負担になります。
しかし、結論からすると、“壁”は自分の英語力がもう一段階成長する前触れです。
ほとんどの学習者が必ずと言って良いほど通る道であり、むしろ“壁にぶつかる=正しい方向に進んでいる証拠”でもあります。
こちらの記事では、なぜ壁が訪れるのか、その正体と抜け出し方を、試験別のポイントも交えながら解説します。
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そもそも「英語試験の壁」とは何か?
英語試験における“壁”とは、努力量と点数の伸びが比例しなくなる状態のことです。
学習初期〜中級レベルでは、
新しい単語を覚える → リスニングが聞こえるようになる
公式問題集を解く → 得点が上がる
という、分かりやすい伸び方をします。
しかし、一定レベルに達すると、「理解できる/できない」ではなく、精度が問われる領域に入ります。
・IELTS 5.5 → 6.0(語彙・文法の精度)
・IELTS 6.0 → 6.5(論理性・表現の幅)
・TOEFL Reading 18 → 23(文構造処理速度)
・TOEFL Speaking 20 → 23(タスク処理能力)
・Duolingo 105 → 115(総合スコアの精度)
このあたりから
・分かるのに正答が取れない
・書けるのに評価されない
・話せるのに点が出ない
という現象が増えます。
壁の正体 ①:“量の学習”では突破できないゾーン
学習者の多くは、壁にぶつかると
・もっと問題を解く
・勉強時間を増やす
・英語のインプット量を増やす
という、量の増加に走りがちです。
しかし、上級に差し掛かると必要なのは “質の改善”。
✔ 解けなかった理由を曖昧にしたまま次の問題へ
✔ 文構造を分析しない
✔ 単語の「語法」「コロケーション」を学ばない
✔ 本番形式で測っていない
次第に「理解できているつもり」で解いてしまい、スコアが頭打ちになります。
壁の正体 ②:アウトプットの「評価基準」を理解していない
特にIELTSやTOEFLで顕著なのが、アウトプットはできているつもりでも、試験の採点基準を満たしていないケースが非常に多い、という点です。
これは、「試験官が見ているポイント」と「受験者が頑張っているポイント」がズレていることが原因で起こるため、評価基準を知らないまま努力しても、点数に反映されにくくなってしまいます。
・IELTS Writing は「内容が良い=高得点」ではない
・IELTS Speaking は「流暢=満点」ではない
・TOEFL Speaking は「情報の正確さ」が重視される
・Duolingo Writing は体系的な文構造が重要(「英語として正しい」+「読み手に分かりやすく整理されている」)
自分の課題を感覚で判断してしまうと、点数がなかなか伸びません。
壁の正体 ③:本番レベルの負荷で練習できていない
本番は、
・時間制限
・緊張
・集中力の消耗
が重なり、練習より確実にパフォーマンスが落ちます。
「練習ではできるのに本番で落ちる」のは典型的な壁の現象です。本番と同じ条件で練習していない場合、“実力”ではなく“耐性”が足りないだけ、ということも多いです。
壁の正体 ④:短期記憶では突破できない領域に入った
TOEFLやIELTSの上級スコアは、その場しのぎの暗記では突破できません。以下の要素が複合的に必要になるため、自然と伸びるまでに時間がかかります。
●背景知識
テーマに対する最低限の知識
環境問題、教育、テクノロジー、健康
IELTSやTOEFLでは英語以前に、話題そのものを理解しているかが問われます。
●論理的思考
「なぜそう言えるのか」を説明できる力
・主張 → 理由 → 具体例 → 結論
・話が感想で終わらない
英語が正しくても、論理が弱いと高得点になりません。
●英語の運用力
覚えた表現を「使い分けられる力」
・状況に合った言い換えができるか
暗記したフレーズをそのまま貼り付けるだけでは限界が来てしまいます。
●瞬間的な情報処理力
聞く・読む → 理解 → まとめる → 出す、を短時間で行う力
・TOEFL Speaking:聞いた内容を20秒で整理
・IELTS Listening:聞きながら次の設問を予測
これは 「慣れ」と「訓練」 でしか伸びません。

どうすれば壁を突破できるのか?
ここからは「今日から変えられる」具体策について見ていきましょう。
1. スコアが伸びない原因を数値で把握する
壁にぶつかる人の多くが、「何となく苦手」で勉強を続けてしまっています。
・設問タイプごとの正答率
・なぜ間違えたか(語彙?構文?推論?)
・時間配分
を可視化していない。
・Task Response(設問にきちんと答えているか)
・Coherence & Cohesion(文章の流れ・つながり)
・Lexical Resources(語彙の幅・適切さ)
・Grammar(文法の正確さと多様性)
のどれが足を引っ張っているか分からない。
人は「見えていないもの」を改善することはできません。まずは現状を数字で把握することが重要です。
2. 正しい教材 × 正しいやり方 での学習に切り替える
壁にぶつかった段階では、教材の難易度が合っていないケースがよくあります。
以下は、各試験の提供元でも公式に推奨している教材ですので、参考にしてください(2025年12月現在)。
・TOEFL 90以上→ TPO中心 + リーディング本格多読
・IELTS 5.5〜6.0 → Cambridge 12〜17
・IELTS 6.5〜7.0 → 公式問題集 + エッセイ添削
・Duolingo 105〜115 → 模試強化 + Writing/Speaking添削
自分のスコア帯に合った教材選定はスコアを伸ばす近道です。
3. “フィードバック中心”の学習に変える
特に壁を突破するのに最も重要なのがフィードバックの導入です。
・ライティング:添削 → 書き直し → 再提出
・スピーキング:録音分析 → 弱点箇所の修正
・リーディング:解説で根拠確認 → 文章の再読
「やりっぱなし学習」は停滞を生む最大要因です。復習の質が上がると、スコアも一気に安定します。
4. スコアを伸ばすための英語 と 一般英語 を分ける
壁の時期は特に、試験対策と日常学習を明確に分けることが大切です。
・洋画を“英語の勉強”として使わない
・英会話を“スピーキング対策”と混同しない
・英字新聞を“リーディング対策”にしない
試験スキルは、一般英語とは別物です。
5. 本番を想定した模試ルーティンを作る
壁を越えるには、本番の負荷に耐えられる“体力”をつける必要があります。
・Reading 3パッセージを通しで
・Listening full test
・Writing Task1 → Task2 を通しで
・Speaking 全6タスクを連続で
・Reading 3パッセージ本番形式
・Listening 2レクチャー連続
スコアが安定してきた人ほど、この練習が効果抜群です。
6. 独学で限界を感じたら試験対策コースを使うのも一つの手段
英語試験の壁にぶつかっている方の中には、
「もっと単語を覚えればいいのでは」
「問題集を回数こなせば伸びるはず」
と、努力の方向を変えずに続けてしまっている方も少なくありません。
ですが、ここまで述べてきたように、中級以上のスコア帯では、
・評価基準の理解
・自分の弱点の把握
・アウトプットへの具体的な修正
が求められる段階に入ります。
このフェーズでは、第三者からのフィードバックがあるかどうかが、スコア停滞を抜け出せるかどうかを大きく左右します。
語学学校や試験対策コースでは、
・採点基準を前提とした指導
・自分では気づきにくい癖や減点ポイントの指摘
・「どう直せば点が上がるか」まで踏み込んだフィードバック
を受けることができます。
特にライティングやスピーキングは、独学では「合っているつもり」で進んでしまいやすい分野です。一定期間スコアが動かない場合は、試験対策コースを利用して軌道修正するのも、非常に現実的な選択肢と言えるでしょう。
まとめ:壁は“停滞”ではなく“変化”のサイン
英語試験で伸び悩むのは、あなたが“上級者の入り口”に来た証拠です。
壁の正体は、
・量の学習だけでは伸びない段階に来た
・評価基準の理解が必要
・負荷の高い練習が必要
・アウトプットの質が問われる段階
という、自然な成長プロセスに過ぎません。
焦る必要はありません。むしろ、壁を越えた先には点数が一気に安定するラインがあります。今は立ち止まっているように感じていても、実は着実に前に進んでいます。
停滞は、次の飛躍の前兆です。正しい方法で取り組めば、必ずもう一段上のスコアに到達できます。


