カナダ留学中・卒業後の就労はどうなる?PGWPと配偶者就労ビザの条件

カナダ公認移民コンサルタントによるコラム企画の第3弾です。
こちらではカナダで就労ビザや移民の手続きを長年行っているQLSEEKER CANADA Inc.の代表・移民コンサルタント、上原さんに、制度の説明を、そして、15年以上カナダで留学手配に関わるMYNDSの海野との合作で、ビザの制度と、それに関わる留学の考え方や上手な使い方について、お伝えしていきます。
- カナダの大学・カレッジ進学に興味がある
- ワーホリで働きながら留学したい
- カナダで就職・移民が気になる
- Co-op、看護師留学など多数取り扱い
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Table of Contents
はじめに
カナダの大学やカレッジへの進学を考える際、卒業後にPGWPを取得して働けるかどうかは、学校やプログラムを選ぶうえで重要な確認事項です。また、夫婦や家族で渡航する場合には、留学生本人だけでなく、帯同する配偶者がカナダで働けるかどうかによって、留学中の生活設計も大きく変わります。
一方で、PGWPや配偶者就労ビザの条件は2024年から2025年にかけて大きく見直されたため、これから留学や進学を考える方は、現在の情報を元に計画を立てる必要があります。
今回は、2026年7月現在のPGWPと配偶者就労ビザについて、学校やプログラムを選ぶ際に確認しておきたいポイントを、上原さんに伺います。
24~25年の移民やビザに関する変化など概要については、以前の記事もご覧ください。

2026年7月現在、PGWPを取得できるプログラムの条件について、改めて教えてください。
PGWP対象は、学校名ではなく資格・期間・専攻分野で決まる
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PGWPを取得するためには、まず学校がIRCC(カナダ移民・難民・市民権省)の指定教育機関(Designated Learning Institution、DLI)であることが前提です。しかし、DLIであればすべてのプログラムが対象になるわけではありません。
また、原則として8か月(ケベック州では900時間)以上のフルタイムプログラムを修了する必要があります。8か月以上2年未満のプログラムでは、通常、修了したプログラムと同程度の期間のPGWPが発給されます。一方、2年以上のプログラムを修了した場合には、最長3年間のPGWPを取得できる可能性があります。さらに、修士課程については8か月以上であれば、2年未満のプログラムであっても最長3年間のPGWPが認められる特例があります。
2024年以降は語学要件も導入されました。PGWP申請時には、学士・修士・博士課程では全スキルでCLB7以上、それ以外のプログラムではCLB5以上の英語またはフランス語能力を証明する必要があります。
そして現在、最も重要なのがField of Study Requirement(専攻分野要件)です。学士・修士・博士課程にはこの要件はありませんが、公立カレッジのDiplomaやGraduate Certificateなどの非学位プログラムでは、IRCCが指定する対象分野(Classification of Instructional Programs、CIPコード)のプログラムでなければPGWPの対象になりません。
つまり現在は、学校自体がPGWP対象であるかだけでなく、
• 修了する資格がDegreeなのかDiplomaなのか
• プログラム期間
• PGWP対象のCIPコードか
• 卒業時に語学要件を満たせるか
までしっかり確認してから出願する必要があります。ルール改正が続いている現在では、この確認を最初に行うことが、留学計画を成功させる第一歩と言えます。
同じCollegeという名称が使われている教育機関であっても、公立カレッジ、私立キャリアカレッジ、語学学校など、教育機関の種類は異なります。学校名にCollegeと入っていることだけを理由に、PGWPの対象になると判断することはできません。教育機関の種類と、実際に受講するプログラムの両方を確認する必要があります。
2026年7月現在のPGWP対象プログラム
Q. 公立カレッジのプログラムを選ぶ場合、カレッジがPGWP対象として提示しているプログラムから選べば間違いないでしょうか。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
基本的には、その学校の案内を参考にして問題ありません。学校側もルール改正に合わせてプログラム情報を更新しているはずです。ただアップデートされていない場合もあるので学校のHPだけでなく、IRCCの最新情報も確認し、不安があれば出願前に専門家へ相談することをお勧めします。
実際には、労働市場ニーズの変化によって対象となるプログラムが変更されたり、対象となるCIPコードの定期的な見直しが行われています。そのため、数年前に卒業した先輩の体験談や古いブログ記事だけを参考にすることはお勧めできません。
例えば、「友人は同じ学校を卒業してPGWPを取得できたので、自分も問題ないと思っていた」という場合もあります。その友人が入学した時点と現在では条件そのものが変わっているケースも珍しくありません。
近年の変更を受け、多くのカレッジで、プログラム一覧のページにも留学生用に【PGWP-aligned Program/PGWP-eligible Program】というようなセクションを設け、留学生がPGWP対象のプログラムを選ぶことができるように工夫しています。また、元々、プログラム自体が留学生の出願を受け付けていないこともあります。プログラムを比較・検討する時は、カナダ人学生用の全プログラム一覧を見ていないか、確認するのが安心です。
Q. BusinessやHospitalityなどの分野は、現在はPGWPの対象にならないと考えている方も多いと思います。実際には、同じBusiness系のプログラムでも、学ぶ内容によってPGWPの対象になるものはありますか。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
これは現在、最も誤解されやすいポイントの一つです。
結論から言えば、「Businessだから対象外」「Hospitalityだから対象外」という単純な話ではありません。現在は、プログラム名ではなく、そのプログラムに割り当てられているCIPコードによって判断されます。例えば、同じBusinessという名称でも、プログラム内容が異なればCIPコードも異なります。その結果、一方はPGWPの対象で、もう一方は対象外ということも実際にあります。
これから進学先を選ぶ方は、「Business」という名前を見るのではなく、そのプログラムがIRCCの対象分野に含まれているかどうかまで確認することが重要です。
Q. PGWPの取得を前提に公立カレッジへ進学する場合、入学後や在学中に気をつけるべきことは何ですか。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
PGWPは、卒業するまでの在学状況も審査対象になります。
例えば、正当な理由なく途中でパートタイムに変わったり、長期間休学したりすると、PGWPの要件を満たせなくなる可能性があります。また、途中で別の学校へ転校した場合や、複数のプログラムを組み合わせる場合、オンライン授業が含まれる場合についても、PGWPの要件を満たしているかどうか注意が必要です。
例えば、「学校はPGWP対象だったのに、途中で1セメスターをパートタイムにした結果、予定どおりPGWPが取得できなかった」というケースがあります。途中で進路変更や休学を考える場合には、判断する前に学校や留学エージェントへ確認することをお勧めします。
過去に、「資金が足りなくなってきたので、休学して一度、日本に帰りたい」とご相談を受けたり、「PGWPは、卒業した後、必要になったタイミングでいつでも申請できると思っていた」、「PGWPで働いて、永住権に繋がらなかったらもう1度、公立カレッジに入り直してまたPGWPを申請できると思っていた」など規定を勘違いしていた、という方も見受けられます。卒業すれば、無条件でもらえるものではないため、規定をしっかり確認しておきましょう。
Q. 興味のあるプログラムがPGWPの対象ではありませんが、内容にとても魅力を感じており、学びたいと考えています。この場合、在学中と卒業後の就労はどのように考えるのがよいでしょうか。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
PGWPの対象ではないプログラムだと最初から分かった上で入る場合ですが、在学中に例えばアルバイトなどから始め、雇用主としっかり関係を作った上で、ジョブオファーをもらい、LMIAのサポートを受けることができたら、現地で就労ビザで就労するオプションは可能です。
また、日本へ帰国して現在のキャリアに活かすことを考えている方や、特定の専門分野を学ぶこと自体が目的である方にとっては、PGWP対象外であっても十分に価値のある留学になると思います。
一方で、「卒業後はカナダで就職し、その後は永住権を目指したい」という方であれば、PGWPを取得できるプログラムを選ばれた方が、その後の就労経験や永住権申請に有利に働きます。いずれにしても、留学先を決める際には、「何を学びたいか」と「将来永住権を目指したいのか」のどちらを重視するかを考慮して選択することが大切です。
大学への編入準備プログラムなどは、職業準備ではないためPGWPの対象になりません。途中で、やはり大学には行かずにカナダで就職したい、と考えてもPGWPの対象とならないため、資金計画や将来設計はプログラム選びの際にしっかり考えておく必要があります。実際に、準備コース受講中に、プログラム変更をされる方もいらっしゃいます。ただ、実際に大学に編入して卒業し、別途、PGWPの要件を満たした場合は、もちろん申請が可能です。
ワーホリを利用できるため、PGWPの対象であるかではなく、学びたい内容を優先させたい方もいるかもしれません。カナダでは卒業間際になってから就職活動を始めるというより、在学中のかなり早い段階から、インターンシップやCo-op、サマージョブなど「就職」を意識した活動が必須です。在学中にしっかり雇用主との繋がりを見つけられるようキャリアセンターなども利用しながら就職準備をしましょう。
留学生に帯同する配偶者の就労ビザ
家族や夫婦でカナダ永住を考えるケースはMYNDSでも、よくご相談を頂きます。協力して将来を切り開いて行ける一方で、制約もあるため、正確な情報を掴んでおきましょう。
Q. 現在、夫婦でカナダ留学をする場合、帯同する配偶者が働けるビザを取得できる条件を教えてください。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
以前は、公立カレッジへ留学するケースであれば、多くの場合、配偶者もオープン・ワーク・パーミット(雇用主の指定のない就労ビザ)を取得することができました。しかし現在は、ルールが大きく変わりました。
現在、配偶者がオープン・ワーク・パーミットを取得できるのは、留学生本人が修士課程(Master)、博士課程(PhD)、またはIRCCが指定する専門職学位プログラムに在籍している場合に限られています。
つまり、「学生ビザを取得すれば配偶者も働ける」という制度ではなくなりました。
Q. 配偶者が働けるビザを取得できない場合でも、ビジターとして帯同して家族の世話をすることは可能でしょうか。また、日本の会社から遠隔で仕事をすることは、ビザ上可能なのでしょうか。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
はい。オープン・ワーク・パーミットの対象にならない場合でも、配偶者がビジターとしてカナダへ同行すること自体は可能です。実際に小さなお子さんの育児や家事を担当するために、配偶者がビジターとして滞在するケースは少なくありません。
一方、日本の会社から給与を受けながらリモートワークを行うことについては、契約形態や仕事内容、報酬の支払方法など検討すべき点があるため、個別の事情を確認する必要があります。
Q. 夫婦がそれぞれワーキングホリデービザを取得して渡航することや、一方が学生ビザ、もう一方がワーキングホリデービザを取得して渡航することは可能でしょうか。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
はい。どちらも可能です。
例えば、ご夫婦ともにワーキングホリデーの年齢要件を満たしていれば、それぞれがワーキングホリデーで渡航することもできます。また、一方が学生ビザ、もう一方がワーキングホリデーという組み合わせも珍しくありません。
Q. 留学生本人が卒業してPGWPを取得した場合、配偶者が就労ビザを取得するための条件は、在学中と変わりますか。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
はい。変わります。
在学中は、留学生本人がどのようなプログラムに在籍しているかが重要になりますが、卒業後は、PGWPを取得しただけでは配偶者がオープン・ワーク・パーミットを取得できるとは限りません。配偶者がオープン・ワーク・パーミットを申請するためには、PGWP保持者本人が、TEER 0またはTEER 1の職種、あるいはIRCCが指定する一部のTEER 2またはTEER 3の職種で就労していることが条件となっています。例えば、希望する職種がTEER 4やTEER 5であった場合には、本人はPGWPで働くことができても、配偶者はオープン・ワーク・パーミットの対象になりません。
また、配偶者の就労ビザを申請する場合は、申請時に主たる申請者のワークパーミットの残存期間が 16ヶ月以上必要になります。つまり、前述したようにプログラムの長さによってPGWPの長さが決まってくるので、その点を留意する必要があります。
まとめ
Q. これからPGWPや配偶者の就労を前提にカナダ留学・進学を計画する方へ、学校やプログラムを決める前に確認してほしいことをお願いします。
⚖️ 移民コンサルタント・上原(QLSeeker)の回答:
最近では、インターネットやSNSで「この学校がお勧め」「このプログラムなら永住権を目指せる」といった情報を目にする機会が増えました。しかし、カナダの留学制度や移民制度はここ数年で大きく変わっており、数年前の体験談がそのまま現在にも当てはまるとは限りません。
実際には、同じ学校であっても、選ぶプログラムによってPGWPの対象になる場合とならない場合があります。また、ご夫婦で渡航する場合には、留学生本人だけでなく、配偶者が就労できるかどうかも、選択するプログラムによって大きく変わります。
さらに、その先の永住権まで考えるのであれば、「卒業できればよい」「仕事が見つかればよい」という視点だけでは十分ではありません。どのような仕事に就くことを目指すのか、ご夫婦のどちらを将来の主申請者として考えるのかまで含めて計画を立てることが重要になります。
留学は人生の大きな投資です。だからこそ、学校や授業料だけを比較するのではなく、「自分は将来カナダでどのようなキャリアを築きたいのか」「家族としてどのような生活を送りたいのか」というゴールから逆算して学校やプログラムを選ぶのが良いと思います。
制度は今後も変わる可能性があります。しかし、将来を見据えて計画を立てることの重要性は変わりません。その視点を持つことが、後悔のない留学につながると思います。
永住権や現地就労への手段としての「進学」の今
カナダでの永住権や現地就職を目指し、その手段として進学を検討する場合、学費の負担が大きい4年制の学位プログラムや、入学要件の厳しい修士課程と比べて、比較的出願しやすく、授業料も抑えられる公立カレッジは、非常に魅力的な選択肢です。
今回上原さんにもご説明いただいた通り、Field of Study Requirement、専攻分野要件の導入により制約ができてしまいました。
選択肢が限られる今、プログラム選びと出願には専門的なサポートを
以前は、プログラム名から内容が想像しやすく、高校卒業と英語要件さえ満たせば出願できるプログラムを選べばPGWPに手が届きましたが、現在は、そうもいきません。PGWPの対象となるプログラムから選ぼうとすると、興味のある分野が見つからない、日本での学歴や職歴に合うプログラムがどれか分からない、と悩む方も多いようです。その方の経歴や希望を聞いて、専攻分野や出願要件を見比べながら一緒にプログラム選びをすることも増えてきました。
加えて、日本の高校では、卒業から5年以上が経過すると、卒業証明書は発行できても、成績証明書は発行できないことがよくあります。カレッジのウェブサイトでいくつか候補を見つけても、高校の数学や理科系科目について成績要件があり、自分が出願条件を満たしているのか判断できないと問い合わせをいただくことも増えました。
大学や専門学校などでプログラムに関連する学歴や職歴をお持ちの場合には、私どもエージェントから補足資料を添えて出願し、合格につながった方も何名かいらっしゃいます。以前にも増して、プログラム選びや出願に経験のあるエージェントからのサポートが必要になっていると感じています。
制度のメリットを前提にした家族留学計画は、見直しが必要
PGWPの取得を目標に進学する方の中では、過去に、夫婦二人で働きながら永住権を目指す家族留学も非常に人気がありました。
特にお子様がいらっしゃる場合は、親のワークパーミットやスタディパーミットをもとに、お子様がカナダの公教育を受けられるケースがあります。また、英語が得意な方や、カナダでも活かせるスキルを持つ配偶者がOpen Work Permitを取得して働くことができれば、収入を維持しながら留学できるため、家族留学のメリットは非常に大きいものでした。
加えて、以前は、Public Private Partnership、PPPと呼ばれる形で、公立カレッジと私立学校が提携し、比較的安い授業料でプログラムを提供する仕組みもありました。この形式でも、公立カレッジに通う場合と同様に配偶者のワークパーミットを申請でき、卒業後にはPGWPも申請できたため、費用を抑えながら同じメリットを得られる選択肢として人気がありました。
しかし、こうした制度上のメリットを活用し、永住権取得への近道として進学を選ぶケースも増えたこともあり、制度に規制が入りました。今回、上原さんに解説いただいた通り、PGWPや配偶者就労ビザの要件は、以前よりも狭くなっています。
そのため、お子様の英語教育や家族での海外移住の手段として「進学」を検討されている場合、現状ではそのメリットが減っていることを認識して、投資に見合うかどうかを再考するタイミングであると言えます。
カナダ留学、ワーホリ、Co-op、カレッジ進学に関するご相談はMYNDSへ。
就労ビザや永住権など、移民制度に関する個別のご相談はQLSEEKER Canada Inc.へご相談ください。
✒️ 監修コンサルタント


上原 敏靖(Toshiyasu Uehara)
所属:QLSeeker Canada Inc. 代表
登録・会員:CICC会員(#R420631)/ CAPIC会員/ 東京都行政書士会
資格:カナダ政府公認移民コンサルタント
◼︎ 略歴・バックグラウンド
1987年慶應義塾大学商学部卒業、青山学院大学国際政治経済学部 修士課程(MBA)修了、東京都行政書士会所属。日系大手化学メーカーやデュポンにて、マーケティング、北米事業企画・法務等を担当。トロントのSeneca CollegeにてImmigration Practitioner CertificateをHigh Honours(最優秀成績)で取得。
2003年にQLSeeker社を設立し日本人のビザ・移民サポートを開始。2004年カナダ初のコンサルタント規制団体(CSIC)に入会し資格認定試験作成委員を務める。

