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独りじゃない。メンターシップのすすめ

近年、メンターシップについて耳にする機会が多く、職場の先輩、後輩関係だけでなく、大学やカレッジのバディプログラムもそれに近い概念で行われていると思います。

大学やカレッジへの入学や会社の新入社員など、新しい環境に飛び込み、新しい人間関係や学業、仕事に取り組むことは誰にとっても容易ではなく、スムーズに環境になれ、人間関係を築けるよう導いてくれる先輩の存在はとても心強いものです。会社では先輩や上司など、新入社員よりもその職場で経験や能力の高い方が新人に対して、一人前に成長できるよう支援する過程、また新人以外でも更なるステップアップ、次の昇進に向けて支援してもらえるなど、幅広い場面で導入されています。

こちらでは、日本ではあまり馴染みのないメンターシップについてご紹介いたします。

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メンターシップとは

メンターシップとは特定の技術や能力獲得を目的に、また新しい方が新しい環境に溶け込み、成長できるよう支援する目的で構成される関係のことを指します。日本でいえば先輩後輩のような関係や、日本の病院では新人看護師さんを育成する上でプリセプター制度という、一体一のマッチングを行い新人さんの成長を育むものもメンターシップに近い概念かと思います。最も一般的な形式では一対一のマッチングの上、定期的に会って相談をする、お仕事の場で教えてあげる、といったものが多いですが、中にはグループメンターもあるようです。カナダの大学やカレッジの中にはバディプログラムといって、ESL受講中の留学生とカナダ人の本科学生をマッチングしたり、留学生、カナダ人にかかわらず本科に入学した新入生と先輩とをマッチングするところもあります。留学生や新入生は学校の設備使用や何かあった際に相談できる部署など、学校の仕組みが理解しにくかったり、学業とアルバイトの両立や課題を進める方法など、様々な場面で困難に直面することが珍しくありません。そういった際、バディプログラムは先輩からの実体験をもとにもらうアドバイスや励ましを原動に学生生活を頑張れること、また実りある生活を築いていけることを目的としています。

メンターシップを通して新入生さん、新人社員側にメリットが大きくあることは想像しやすいですが、実は先輩側にもたくさんのメリットがあります。仕事における知識や技術を誰かに教えることは決して容易ではなく、自分の言葉で説明をしようとするとうまく説明ができず、改めて資料を読み返してみるなど、自身の知識を再構築する過程となります。新人さんからの予期せぬ質問に対応したり、中には同じことを何度も繰り返して教えなければならないかもしれません。現在様々な職場で人間力、リーダーシップやチーム育成能力が叫ばれている中で、メンターシップに携わった経験は今後の仕事能力、また転職において大きな武器となり、管理職など昇進に役立つ能力となります。

メンターシップのメリット

カナダの大学、カレッジでは現地の学生の多くはアルバイトをしていること、他にもボランティアや家族、恋人との時間などで忙しい方が多く、日本の大学生のようにクラスメイト同士で遊びに出かけるような環境ではないことが一般的です。もちろん学生寮でパーティをしたり、キャンパスのイベントなど、クラスの友人と交流することはありますが、日本と比べ関係が希薄だと感じる方もいらっしゃるこかもしれません。

会社でも同様、日本の会社のように新人歓迎会のような飲み会は一般的ではないですし、定時出勤、退勤後は家族と過ごしたり週末旅行に出かけるスタイルが主流です。

そのような環境下で学校入学、入社される方々においては、困ったことがあっても相談しにくかったり、問題を自分の中だけで解決しようとしてしまいがちです。特に私たちは外国人として第二言語で学業、仕事に取り組みますので、文化の違い、英語環境で働くことなど予想される困難は多く、誰かに相談できないことで”自分にはあわない””頑張れない”など、せっかく選ばれた道を諦めてしまうことにもなりかねません。

学校や会社側もせっかく意を決して入ってきた学生、社員の目標達成を願っていますので、メンターシップ制度を導入しているようです。日本人の私たちは他者に打ち解けるまで時間がかかると言われていますので、赤の他人に弱みを見せることが恥ずかしいと思う方、悩んでいても気丈に振る舞い、うまくいっているように見せかけてしまう方もいらっしゃるかもしれません。ただ、皆さんの悩みがメンター自身も経験したことであったり、友人などから似たような話を聞いたりなど、共感できるものである可能性があり、そうでなくても相談できる関連部署など的確なアドバイスをしてもらえることもあります。悩みを打ち明けることは時に少し勇気がいりますが、相談することで関係が縮まり、信頼関係の構築、またメンター側もやりがいを感じることと思います。ボランティア文化の強いカナダでは困っている人を助けることは社会貢献のひとつとして重要な意味をもち、メンターにとっては自身が経験している学生生活、仕事の分野で後輩をサポートした経験として、その後のキャリアに役立つといったメリットもあります。

現在幅広い業種ではソフトスキルと呼ばれる、対人関係技術に優れた応募者が求められ、非常に優遇されています。メンターシップでは忍耐力や相手の話を聞いて理解する能力、相手が自ら問題解決方法を見つけ、頑張ろうと思えるような相談技術(コーチングとも呼ばれます)など、幅広い能力が獲得できますので、皆さんもメンターとして後輩や新人を支援する機会があれば、是非積極的に取り組んでいただければと思います。

メンターシップ成功の秘訣

世の中には成功するメンターシップ、中には難航するものもあります。私自身メンターとして新人のサポートに取り組んだ経験、またメンティとして上司にあたる方にご指導いただいた経験もありますので、自身の体験談としてお話できればと思います。

大前提として、メンターとメンティの生活スケジュールが似ていることがとても重要です。近年では皆忙しく、他の予定との調整だけでなく、元々朝型の方、夜型の方もいらっしゃいます。特に学校でのバディプログラムでは授業以外に時間を作らないといけないため、時間があわなければメンターシップの成立がとても困難です。会社でのメンターシップでも、シフトの調整にあたり上司の方からの理解が必要です。

次に、メンターシップを経て達成したいことを明確にする必要があります。学校の新入生にとっては相談相手、また友達作りのような感覚で学校生活に慣れた後は友達関係になるかもしれません。一方、会社では限られた業務時間内で時間を設定した上で定期的に会い、話をしますので、目的なくだらだらと雑談をするようでは非効率的です。

私の現在のメンターは他地域のオフィスの管理長をされている方で、私の次の昇進ポジションを担い業務を行っている方です。私は決して新人ではありませんが、次の昇進ポジションに進む上で培わなくてはならない能力、経験すべきこと、教訓など、日々の業務上で困っていることなどと交えながら話をしています。自分の中でネガティブに感じていることを共有することで、別の角度からのアドバイスをもらえ、前向きに進むことができたり、直属の上司ではないので正直になれる部分、客観的なアドバイスをもらえることをとても有難く思っています。

会社でのメンターシップの目的は新しい仕事に慣れること、一人前のスタッフとして成長すること、メンタルヘルスを含めた心身のサポートかもしれません。特にカナダの会社では研修が少ないため、個々のスタッフが自分の調べたり、他のスタッフに質問しながら自分で成長していくことが求められます。自立して難なくこなせる方もいれば、そういった独立心を求められる環境で働くことを不安に思う方、より手厚いサポートが必要なスタッフももちろんいます。現在コロナの影響で転職や過去に類似ポジションでの職歴の浅い方が採用されるケースも増えていること、メンタルヘルスの観点からも、メンターシップ導入を推奨している会社が多い印象にあります。先輩側にあたるメンターも決して大ベテランの方ではなく、比較的経験浅めな先輩が指導にあたることもよくあります。従来の先輩後輩という上下関係ではなく、メンター側も新人さんに立場が近いため気持ちを理解しやすいこと、大ベテランさんのように答えをすぐに見出せなくても、一緒に問題解決することも最近のトレンドのひとつです。

日本では馴染みの薄いメンターシップについて、その利点や成功の秘訣をまとめました。私自身職場でメンターの方に支えていただき、最近では逆にメンターとして新人のサポートをする側にもなりました。メンターシップを通して学生、新入社員が困難を乗り越え、よい人間関係を築けること、学業や仕事という目標を達成できる利点、あわせてソフトスキルと呼ばれる対人関係術を獲得できることなど、メリットは本当に大きいです。

ネット社会、アフターコロナ時代で人間対人間の関係が希薄になってしまう中で、貴重なシステムですので、機会があれば是非積極的に活用していただければと思います。

 

ライター Aki
ワーホリ、学生ビザ等でのカナダ留学歴約3年半、カナダ移民歴6年のビクトリア在住女性。
飲食店や介護施設、サービス業など幅広い業種を経験した後、ブリティッシュ・コロンビア州の保険資格を取得し、現在保険会社にて顧客対応、管理業務に従事している。
趣味はパブリックスピーキング、ズンバ、ヨガなど。

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