1. HOME
  2. 英語で生活
  3. 大人になってからの専門学習

大人になってからの専門学習

近年カナダ留学においてコーププログラムやカレッジ、大学進学など、英語での専門学習を希望される方が増えています。英語力を向上させて日本での就活に役立てるだけでなく、カナダでの就労体験や永住権取得を検討される方も多いです。一方、一度社会人を経験された方にとって今更勉強をすること、学生となることに抵抗を感じられる方も珍しくないのではないでしょうか。日本では高校卒業後すぐに進学し、一度社会人になってから再度学生になることはあまり一般的ではありませんので、無理ないことと思います。ですが、カナダのカレッジや大学では30代、40代以上の学生さんも多くいらっしゃり、私自身の経験からも大人だからこそ専門学習をされるメリットがたくさんあると感じています。年齢を理由にカナダ留学に躊躇されている方は是非参考にしていただければと思います。

カナダで留学してみませんか?
  • カナダの大学・カレッジ進学に興味がある
  • ワーホリで働きながら留学したい
  • カナダで就職・移民が気になる
  • Co-op、看護師留学など多数取り扱い

あなたに合った留学のカタチをご紹介します。留学のご相談は無料です。

長年の社会人経験を経た後での、私の専門学習体験

実は私はカナダでの専門学習を二度経験しています。一度目は公立カレッジで約7か月間、医療関係のコースを受講したこと、二度目は昨年、保険販売資格取得のためのセルフスタディコースの受講です。医療コース受講の際は、内容が専門的かつ就職に直結しているため、クラスメイトの大半の学生は30代以上、中にはお孫さんのいらっしゃる年代の方々、成人されたお子さんのいる方も多く、当時30代の私はクラスで若年層と位置づけられていました。7か月間の授業での様子や卒業後の就職状況をみていますと、社会人経験をされた方々のほうが圧倒的に成功しているようで、20代のクラスメイトでは途中で授業に来なくなってしまったり、就職に苦労されている方が多かった印象があります。

次に保険資格コースについて、当時コロナの影響を踏まえて転職を考えたことをきっかけに保険の資格への挑戦を決意した経緯があります。従来では公立カレッジの夜間コースとして開講しているものですが、コロナの影響であいにく開講がなく、セルフスタディと呼ばれる、教材を注文して自身で勉強するスタイルでした。学校でクラスメイトと肩を並べて授業を受けるといったことがなく、自分のペースでゆっくり勉強ができたことが利点でしたが、それでもノートやペンを買い揃え、新鮮な気持ちになったことを覚えています。内容的にカナダ人の方でも不合格となる方も多い、決して容易ではないものでしたが、資格を取得したあと、実際に保険業界で働く自分を想像することで、モチベーションがあがり、内容が驚くほどスムーズに理解できた記憶があります。

大人になってから勉強をする利点

日本ではなぜか年齢があがる度に暗記ができなくなる、頭が固くなり新しいものを学べなくなる、という通説があり、30代、40代とまだまだお若い年齢層の方々にも当てはまるように伝えられている印象があります。北米でも類似したことわざがありますが、70-80代の方にスマホを教えるような状況や、冗談で使用される場合が多く、北米では逆に生涯学習と呼ばれる、常に新しいことを吸収する姿勢をもつことが心身の健康において大切だ、とされています。

これは個人的な見解ですが、私は逆に社会人を経験された方において、専門学習をより成功しやすい、と感じています。10代、20代前半の高校の延長線上で勉強をしている方々は人生経験が乏しいため勉強においても暗記に頼りがちで、選択される内容も一般教養、また将来就きたい業界や職業にといて不明確な場合が圧倒的に多いです。一方、社会人経験者、特に年齢が上がれば上がるほど職業経験を経て自分にあった仕事、不向きな仕事、またご自身の得意なこと、苦にならないことなど、自己分析がある程度できている方が多く、世の中の動向をみて働いてみたい業界をある程度搾った上で専門学習に励まれます。これまで一生懸命貯金をされた資金を使って入学されますので、金銭的なモチベーション、またその学習を通して達成したいこと、就きたいお仕事像がある程度見えている点で10代、20代の方々と比べ圧倒的に有利となります。また驚くことに、勉強をするにあたってはっきりとした動機があることで、内容を難なく吸収できることがあります。私が保険のコース取得の際に感じたことですが、第二言語、かつ学生時代に特に勉強が得意でなかった私でも保険という決して苦にならない内容で、資格を取得してからその業界で働きたい、という強い思いを持っていると内容をきちんと理解でき、テストに合格できる、と発見しました。そのためにはその方にあった学習内容の選択が大切で、興味がある内容や、もっと深く知りたい、という気持ちが原動力になります。また、学ばれる内容と関連した業種の求人を見たり、ニュースにアンテナをはって世の中の動向をチェックすることも効果的です。私も日頃、もっとニュースを観なければ、といつも感じていますが、それでも保険関連のニュースを見聞きすると必ず検索しています。保険という内容が好きなのか、得意なのか、また資格を取得したからといって仕事のオファーを獲得できるのか、不透明なままで勉強を始めましたが、振り返ってみるとあの時投資をして本当によかったと思っています。

社会人経験者がコーププログラム、公立カレッジ進学にあたりお勧めな理由

カナダでのコーププログラムや公立大学、カレッジなどで学習される場合、ある程度の就労が認められることと思います。お仕事探しにおいて、日本で社会人経験の長い方であるほど、有利となる理由が複数あります。レジュメや面接でアピールできる職歴や、過去に経験された同僚とのトラブル、顧客対応、時間の管理など、これまでの職歴が長ければ長いほど面接で語れる内容の選択肢が増えます。カナダでのお仕事探しにおいて、多くの雇用主はカナダでの職歴を重視しますので、皆さんにとって初めてのお仕事は決して希望通りのものではないかもしれません。まずはコーヒーショップやレストランなど、接客関係の仕事を経験され、カナダでの就労経験を培うとともにコミュニケーション能力、業務に優先順位をつけること、チームワークや背景の異なる同僚とうまくやっていく能力など、次のお仕事でアピールできる能力、経験を積んでいきます。そこで改めて転職をされる際に、カナダでの経験とあわせて日本での職歴、経験が生きることと思います。

職種によって、例えばファーストフードやジムのトレーナー、子供と多く関わる内容のものでは比較的お若くて元気な方が好まれる場合があります。特にカナダの高校生がよく就かれるような業種ですと、雇用主も同僚とうまくやっていけそうな方を探していますので、社会人経験の豊富な大人の応募者は不相応と判断されるかもしれません。一方、日本で就職と位置づけられるようなオフィスワーク、管理者、一般的にキャリア業種とみなされるような少し責任の重く給料の高めなポジションですと、同僚となる方々の年齢層も高いため、いくら応募者のレジュメが魅力的で、面接に呼ばれたとしても、”こんなに若く見えるけど大丈夫かな”と心配になることが予想されます。カナダではレジュメや面接で直接年齢を尋ねることが禁じられていますので、一般的にお若く見えることだけが理由で不採用となることは差別とみなされかねません。しかし、レジュメの職歴、学歴、また外見、話し方から応募者がお若いことが予想された場合、人生経験の乏しさが予測され、その疑念を払拭できるほどの面接での回答、例えば過去に同僚との間でトラブルが生じた際、どのように解決したか、など、面接官を納得させられるほどの回答が求められるため、採用までのハードルが高くなってしまいます。また、カナダでも世代により特徴が異なりますので、年齢層が高めの同僚たちとうまくやっていける能力があるのか、世代の違いをうまく埋められる能力も判断材料となります。特に日本人の私たちは外見から若くみられがちで、英語力レベルによっては幼い印象を与えてしまうこともありますので、面接では大人っぽい服装、振る舞いや持ち物を身に着け、日本又はカナダでの職歴、内容をうまく説明できるよう準備して臨まれるといいでしょう。

今回は大人になってからの専門学習について、私自身の個人的な見解も踏まえお話しました。20代後半以降の大人の方を対象に想定していますので、10代、20代前半の方にとっては少し耳の痛い内容となってしまったかもしれません。お若い世代の方々にとって、直接希望の職種、特に日本で就職と位置づけられるキャリア業種に就かれることは難しいかもしれませんが、一方でその世代の方々は様々な仕事を経験した上で自己分析を進め、よりご自身にあったお仕事とは何か、この国で何をして生計を立てていきたいのか、を考えながらカナダでの職歴を積んでいくことをお勧めします。大学やカレッジでの成績が優秀であったり、有名大学を卒業したからといって近道が存在しないことがカナダでの就活において困難な点ですが、日本のように筋道が敷かれていない分、自分にあった道を自由に模索できること、転職において融通がきくことがカナダのお仕事におけるメリットともいえます。社会人経験者の方は日本、カナダでの職歴、人生経験を最大の武器として、自信をもってお仕事探しに励んでいただければと思います。

ライター Aki
ワーホリ、学生ビザ等でのカナダ留学歴約3年半、カナダ移民歴6年のビクトリア在住女性。
飲食店や介護施設、サービス業など幅広い業種を経験した後、ブリティッシュ・コロンビア州の保険資格を取得し、現在保険会社にて顧客対応、管理業務に従事している。
趣味はパブリックスピーキング、ズンバ、ヨガなど。

関連記事